2009年7月18日土曜日

米カルパース、大手格付け会社3社を提訴

[15日 ロイター] ニューヨーク・タイムズ紙によると、米最大の公的年金基金、カリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)は、不正確な格付けで10億ドルの損失を被ったとして、大手格付け会社3社を先週末カリフォルニア州地裁に提訴した。
 提訴されたのは、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード&プアーズ(S&P)、フィッチの3社。

 カルパースは、2006年にSIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)に13億ドルを投資したが、2007年から2008年にかけて投資先のSIVが破たん。

 投資先のSIVには3社がAAAの格付けを付与しており、カルパースは「いい加減な誤った格付け」で損失を被ったと主張している。

 同紙によると、カルパースは損害賠償を求めているが、具体的な請求額は不明。

 カルパース、ムーディーズ、S&P、フィッチのコメントはとれていない。


Bloomberg
「ずさん査定で10億ドル損失」 カルパース、格付け3社を提訴

米最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は今月9日、「極めて不正確な」リスク査定により、10億ドル(約940億円)の損失を被ったとして、大手格付け会社3社を相手取り同州地裁に訴えを起こした。

 カルパースは訴状で、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスの3社は「概念に深刻な欠点がある上に、不適切な」手段で中期債やコマーシャルペーパー(CP)を分析したと主張した。

 格付け3社がそろって、ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる簿外運用会社のチェーン・ファイナンス、スタンフィールド・ビクトリア・ファンディング、シグマ・ファイナンスの3社に最上級格付けを付与したのを受け、カルパースは2006年、これら3社に投資。3社は07、08年に相次ぎ破綻(はたん)し、カルパースに対してデフォルト(債務不履行)に陥った。3社の原資産は、高リスクのサブプライム住宅ローンが大半を占めていたという。

 カルパースの資産は1730億ドル。計160万人余りに上るカリフォルニア州職員や退職者および扶養家族の退職年金を運用している。

 S&Pの親会社マグロウヒルの広報担当スティーブ・ワイス氏は「この訴訟には法律や事実関係の根拠がないため、当社は棄却を求める方針だ」と説明。ムーディーズ、フィッチそれぞれの広報担当はコメントを求める電話取材に対してこれまでのところ返答していない。(Cary O’Reilly、Karen Gullo)

世界陸上のスポンサー選定で電通の手法に批判続出=独紙報道

7月18日6時3分配信 時事通信

*【フランクフルト17日時事】17日付の独経済紙ハンデルスブラットによると、8月にベルリンで開かれる世界陸上競技選手権大会のマーケティング独占権を持つ電通 <4324> の運営手法に対し、地元の組織委員会や広告会社など関係者から批判が続出している。 

【バサラ男の独り言】
国内メデイアでは封殺されるニュースですが、米国から国内メデイアが莫大な金を貰い大衆を煽動したと暴露した森田実氏が現在マスメデイア出入禁止になっているのは電通の指示だそうです。 

NYマンハッタンの空き店舗率、01年以来の高水準-消費の低迷響く

7月17日(ブルームバーグ):米書籍チェーン大手バーンズ・アンド・ノーブルは今年、ニューヨーク・マンハッタンの東86丁目にある2店舗を閉鎖。家電量販大手サーキット・シティ・ストアーズも1店舗を撤退させた。このとき空き店舗スペースを埋めるために動いたのは地域のボランティアだった。ひいきにしている小売業者に空いたスペースを借りてくれるよう電子メールを送ったのだ。

  アッパー・イーストサイドやソーホーなどのショッピングエリアは、空き店舗であふれている。プルデンシャル・ダグラス・エリマン・リアル・エステートの個人向け賃貸・販売部門のフェース・ホープ・コンソロ会長がまとめたデータによれば、失業率の上昇やリセッション(景気後退)の影響で消費が冷え込むなか、マンハッタンの2009年4-6月(第2四半期)の空き店舗率は12.4%と、01年以来の高水準に上昇した。

  コンソロ会長は、「消費者は買い物をやめてしまった」と話す。

  ニューヨークに拠点を置く不動産仲介会社クシュマン・アンド・ウェイクフィールドによれば、マディソン街では57丁目から72丁目の間に位置する185店舗のうち15%超が空き店舗、もしくは近く空きになる予定。アッパー・ウェストサイドでは265店舗のうち約9%にテナントが入っていないか、近く出て行く状況だという。

  調査会社リアル・エステート・エコノメトリクスのチーフエコノミスト、サム・チャンダン氏は、失業や消費者需要の悪化ペースを考えると、賃貸料は10-12月(第4四半期)までに前年同期比で最大23%下落する見込みで、その後も10年まで値下がりが続く可能性があると指摘した。

  同氏はまた、マンハッタンでの店舗賃貸料の平均提示価格が年末までに1平方フィート(0.0929平方メートル)当たり98.12ドル(約9200円)に下落するとの予想を示した。第2四半期末の時点では109.09ドルだったという。

横綱の国に眠る天然資源、モンゴル首相が2兆円の支援期待

7月17日(ブルームバーグ):来日中のモンゴルのサンジャー・バヤル首相は、国内鉱物資源開発のため今後5年間で、海外から250億ドル(2兆3400億円)の投資が必要との見解を明らかにした。朝青龍、白鵬2人の横綱ら幕内力士10人を輩出する相撲大国が国内に眠る世界最大規模の天然資源の開発支援を日本に求めた。

  バヤル首相は16日、麻生太郎首相との会談に先立ち、ブルームバーグ・ニュースの単独インタビューに応じ、「年間で1件以上の大規模な開発を行う。そのために毎年50億ドルの投資が必要」と述べた。これは、2008年のモンゴルの国内総生産(GDP)約30億ドルを上回る規模。

  バヤル首相と麻生首相は16日夜、原子力分野に関する協力文書に調印した。ウラン鉱山開発や原子力分野などの人材育成などで協力する。日本企業が参入しやすいようにモンゴルの鉱業法の運用などについても今後協議していく。

  日本からモンゴルへの投資案件は少ないが、バヤル首相は、「日本のような環境に配慮する技術を持つ国の投資が重要だ」と語り、日本からの投資に期待感を表明した。

  外務省によると、日本からモンゴルへ援助は1991年以降、年間50億円の無償資金を供与しているほか、2007年度には新ウランバートル国際空港建設で288億円の円借款を供与した。今年6月30日には、国際協力機構(JICA)が世界的な金融危機で財政難に陥った途上国の貧困層対策を支援する緊急円借款として、約29億円を低利融資した。

  銅や金など鉱物資源が総輸出額(08年25億ドル)の7割以上を占めるモンゴルは財政状況が厳しくなっている。07年の経済成長率は10.2%、08年は8.9%だった。しかし、昨年9月のリーマンショック後、鉱物資源価格が急落したことから09年は2.7%まで落ち込む見通し。財政収支も悪化し、国際通貨基金(IMF)は3月、総額で2億2400万ドル相当の緊急融資を決めた。

          世界最大級の金・銅資源

  世界3位の鉱山会社、英・オーストラリア系リオ・ティントが未開発の金・銅鉱床としては世界最大級と評価しているオユトルゴイ鉱山では、カナダのアイバンホーマインズ社との間で投資契約締結を目指し協議中。アイバンホーマインズ社によると、埋蔵量は金が4520万オンス、銅が789億ポンド。

  バヤル首相は金・銅に加え、将来はウランも主要な輸出産品に加える方針で、「ウラン開発では、20億-30億ドル程度の投資が必要」と述べた。07年現在、モンゴルのウラン埋蔵量は6万2000トンと世界の1%程度にとどまるが、国際原子力機関(IAEA)の資料によると、未探査地域には世界最大のオーストラリアの124万3000トンを上回る139万トンが埋蔵されている可能性がある。

            ウラン開発

  独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、モンゴルのウラン開発は1990年代後半に旧ソ連への出荷が停止して以来、止まっている。現在は地球温暖化対策としての原子力発電再評価から、燃料としてのウランへの関心が高まり、ロシア、フランス、中国が触手を伸ばしている。

  ウランなど核燃料のコンサルティングを手がける米トレードテック駐日代表、田上雄司氏は「日本にとっては調達先の多元化という点で意義があるとは思う」としながらも「ウラン鉱石から燃料へ加工する技術をモンゴルが有しているかどうか不明だ。輸出するまではどのくらいの期間がかかるか全く予想できない」と述べた。

2009年7月17日金曜日

ドルと円の強気派増える-景気回復期待薄れ、レアルや豪ドル魅力減退

7月13日(ブルームバーグ):為替トレーダーが一段と米ドルや円に強気になっている。今年の世界経済の回復に対する期待が薄れているためだ。

失業者増加と株式相場の下落を受けて、ブラジルのレアルやオーストラリア・ドルといったリスクの高い通貨の上昇を見込む動きが減退している。市場混乱時に米ドルや円は上昇することが多い。低金利通貨を調達して高利回り資産に投資するいわゆるキャリー取引の解消で、トレーダーが借り入れた円やドルを返すためだ。

ユーロと円、ポンド、カナダ・ドル、スウェーデン・クローナ、スイス・フランに対する貿易加重ベースのパフォーマンスを示すドル指数は3月4日に付けた今年の日中高値から6月2日に安値を付けるまで11.3%下落。その後は、ブラジルから中国に至るまで新興市場国の当局者らがドルの優位性に疑問を投げ掛けたにもかかわらず、2.4%上昇した。日本の今年1-3月期の成長率もマイナス14.2%と先進国で最悪だったにもかかわらず、円は16主要通貨に対して、少なくとも6.15%上昇した。

  フィッシャー・フランシス・ツリーズ&ワッツの外国為替責任者、アドナン・アカント氏(ニューヨーク在勤)は「われわれは米ドルに回帰した」と語る。同氏はつい3カ月前、米ドルと円が下落するとみて、レアルのほか、世界経済の回復期に高いリターンをもたらすと見込む複数の通貨に投資していた。

ブルームバーグ集計データでみて今年1-6月期(上期)のドルの対ユーロ相場見通しが最も正確だったドイツ銀行は、同相場が10日の1ユーロ=1.3936ドルから約17%上昇して2010年までに1.20ドルを付けると予想する。ブルームバーグ・ニュースがまとめたストラテジスト48人の予想中央値によれば、ドルは対ユーロで今年はもう下落せず、年末はほぼ変わらずの1.40ドルとなる見通しだ。

通貨のプット(売る権利)オプションとコール(買う権利)オプションの傾きを示すリスク・リバーサル率によると、トレーダーらはドルの対レアル相場について、米S&P500種株価指数が12年ぶりの低水準を付けた2週間後の3月23日以来で最も強気だ。ブルームバーグのデータによれば、ドル・レアルの1カ月物オプションのコール価格は10日にプットを5.27ポイント上回った。

円の対豪ドル相場についてもトレーダーは3月20日以来で最も強気となっており、3カ月物コールの価格がプットを5.19ポイント上回った。

「超円高」的中の若林氏:ドルは2年後74円、以後100年円安へ

7月16日(ブルームバーグ):ドル・円相場が1ドル=79円75銭の戦後最安値(ドル安・円高)をつけた1995年4月の「超円高」を独自のチャート分析などに基づき予言した若林栄四氏は、米国の財政赤字や金融緩和の行き過ぎに対する懸念を背景に、ドル・円は2011年秋に74円前後まで下落すると予想している。しかし、ドルに代わる通貨は存在せず、以後は超長期にわたるドル高・円安に転じるとの見方だ。

  ニューヨーク在住で、東京の投資情報サービス会社、ワカバヤシ・エフエックス・アソシエイツの代表をつとめる若林氏(65)は15日までの電話インタビューで、ドル・円は「今年末から来年初めにかけて90円を割り込み、87円を切る」と予想。その後3-5カ月間持ち直した後、11年秋に向けて「ズドンと」下落するだろうと語った。

  若林氏によると、ドル・円相場は71年12月を起点とするドル安・円高の超長期トレンドラインに沿って動いている。ニクソン米大統領(当時)が同年8月に金とドルの交換停止を発表し、12月のスミソニアン協定でドルが他の主要通貨に対して切り下げられるまでの1ドル=360円から、82年11月の277円65銭と「プラザ合意」の約7カ月前につけた85年2月の262円80銭を通る傾向線だ。同線は今年6月には89円前後にあり、11年秋には74円程度に下がるという。

  2011年は、第2次世界大戦後の国際金融システムを取り決めた44年のブレトン・ウッズ協定の下で1ドル=360円体制が固まった49年から62年後に当たる。若林氏は、数字の62は黄金分割理論で重要な0.618に近似すると指摘。同体制が崩壊した71年から40年間にわたるドル安・円高の終着点に相応しいと述べた。

         ドルの印刷、一転円安へ

  ドル・円相場は1月21日に87円13銭と、95年7月以来13年半ぶりの水準に下落(ドル安・円高)した。4月6日に約5カ月半ぶりに101円44銭まで上昇したが、7月13日には91円74銭と約5カ月ぶりの安値をつけた。16日午後1時時点では94円6銭。

  若林氏は「相場のトレンドは、日柄が尽きるまで走る。ファンダメンタルズとは必ずしも一致しない」と言明。米経常赤字の減少などファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)はドル高・円安に傾いていくが、市場参加者は米財政赤字の拡大と金融緩和という「ドルの印刷」を背景とした米インフレ懸念に注目してドルを売るだろうと話した。

  しかし、米財政赤字に関しても「米家計の貯蓄率上昇を考えれば、ファンディングは楽にできる」と分析。11年秋に74円をつけた後は、相場とファンダメンタルズの「ものすごいねじれ現象」によって蓄積されたドル高エネルギーが噴出すると予想した。超長期のドル安・円高は終えんを迎え「100年単位で360円に回帰していく」という。

        ドルに代役なし、デフレ長期化

  若林氏は、ドル安が進んでも「ドルに代わる通貨はない」と言明。欧州連合(EU)は政治的統合が見込めないうえ「低成長地域」であり、4兆元規模の景気刺激策に取り組む中国にも「米国に匹敵する引力はない」と述べた。中東諸国やロシアなどのオイルマネーは、原油価格が11年には1バレル30ドル以下に暴落するため、「なくなってしまうだろう」と語った。

  世界的な信用バブルの崩壊がもたらした巨大なデフレ圧力は、オバマ米大統領や胡錦濤中国国家主席、麻生太郎首相らが率いる各国政府が「数百兆円を投じた程度で完治するほど生易しくない」と分析。市場ではインフレ懸念が台頭するが「誤り。正体はデフレだ」と強調し、米金利の上昇局面は「絶好の買い場になる」とも述べた。

  デフレを解決できるのは「時間だけ」であり、前例のない財政出動と金融緩和を正常な状態に戻していく「出口政策」は「時期尚早だ」と言明。それでも、各国の政策当局者は1930年代の米国や2000年の日本が経験したのと「同じ失敗を繰り返すだろう」と語った。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は来週の米議会証言で、異例の与信拡大政策からの出口戦略に言及する可能性がある。FRBの総資産は昨秋以降、倍以上の約2兆ドルに拡大。昨年10月に始まった今会計年度の米財政赤字は9カ月間で1兆ドルを突破した。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は13日、出口戦略の策定を時期尚早とする認識は「明白な誤りだ」と述べた。

  若林氏(65)は66年、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。87年から96年まで勧角証券(アメリカ)の執行副社長を務めた。ドル・円相場が140円前後だった90年代前半、独自のチャート分析などに基づき「95年4月に1ドル=80円」と予測。79円75銭の史上最安値(ドル安・円高)を的中させた。その直後には一転、「10年後は1ドル=150円」と予想。時期こそ外れたが、ドル・円は98年に147円台に上昇した。