2010年6月12日土曜日

ソロス氏:「危機の第2幕が始まったところ」-30年代を想起

6月10日(ブルームバーグ):資産家のジョージ・ソロス氏は、欧州の財政問題の深刻化で各国政府が赤字抑制を強いられることから、世界経済は再びリセッション(景気後退)に陥る恐れがあると指摘、「危機の第2幕が始まったところだ」との認識を示した。

  ソロス氏は10日、ウィーンでの会合で「われわれの知る金融システムの崩壊は現実だ。危機は終わりには程遠い」と語り、「実際、ドラマの第2幕に入ったところだ」とした。

  ソロス氏(79)は現在の状況について、景気回復が弱い中で各国政府が財政赤字の縮小を迫られた1930年代を「不気味なほど」思い起こさせると述べた。

  欧州のソブリン債危機が拡大するとの懸念を受け、ユーロは7日に対ドルで4年ぶり安値を付けた。今年に入り、世界の株式時価総額は4兆ドル(約365兆円)余り失われている。バンク・オブ・アメリカ(BOA)によると、欧州の高債務国は向こう3年以内に借り換えで2兆ユーロ(約220兆円)近くを調達する必要がある。

  ソロス氏は「金融市場でソブリン債に対する信頼が失われ始めた時は、ギリシャとユーロが注目を集めた。しかし、影響は世界中に及ぶ可能性がある」と語った。

  ソロス氏はまた、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は危険であり、「殺しのライセンスだ」と述べ、デフォルト(債務不履行)リスクから債券保有者を守るのが本来のCDSは保険の対象となる利益が実際に存在している場合のみ認められるべきだとした。

【東京バサラ】
 出た! ソロスのポジショントーク。 いよいよ来週からGOLD反落か。

韓国、新たな為替規制を11日にも発表へ=政府高官

6月10日11時21分配信 ロイター

 [ソウル 10日 ロイター] 韓国政府は、新たな為替関連規制を11日にも発表する予定。政府高官が10日、ロイターの電話取材に対し明らかにした。
 それによると、新たな措置には、外国銀行の支店を対象にした外貨流動性リスクの管理が含まれる公算が大きいという。

2010年6月9日水曜日

欧州懸念で金貨の需要拡大:供給逼迫、プレミアム上昇-ゴールドコア

6月9日(ブルームバーグ):欧州の債務危機への懸念拡大や英国のキャピタルゲイン(資産譲渡益)に対する税率引き上げ提案を背景に金貨の需要が高まり、供給が逼迫(ひっぱく)するとともにプレミアムが上昇していると、金取引会社ゴールドコア(ダブリン)が指摘した。

  英国のソブリン金貨の金現物価格に上乗せされるプレミアムは約7%と、5月初め時点の2.5%から上昇している。より人気の高い南アフリカ共和国のクルーガーランド金貨のプレミアムは過去1カ月間に1-1.5%上昇している。ゴールドコアによると、5月の金の販売量は前年同月比でほぼ3倍に増加した。

  欧州全域で導入される債務削減策が経済成長鈍化につながるとの観測から、通貨の代替としての需要が拡大し、金現物相場は8日、過去最高値の1オンス当たり1252.11ドルに達した。

  ゴールドコアのエグゼクティブディレクター、マーク・オバーン氏は8日の電話インタビューで「ソブリン金貨を大量に入手するのは難しくなっている」と指摘。「危機は改善ではなく悪化しているとみられており、需要は増加している。キャピタルゲインに対する税率引き上げについては市場はまだ懐疑的で、ソブリン金貨への課税は免除されるとの見方もある」と述べた。

ファーバー氏:現金と債券は「極めて危険」-紙は紙に戻る

6月9日(ブルームバーグ):著名投資家マーク・ファーバー氏は、各国政府が財政赤字を埋めるために通貨の供給を増やす中で、現金と債券は向こう10年間、「極めて危険」な資産になるとの見解を示した。

ニューズレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」を発行するファーバー氏は9日、ソウルでのフォーラムで、当局は「紙幣を印刷する以外に方法がない」と指摘。「最終的には紙幣はその内在的な価値、つまり無価値な紙切れに戻るだろう」と語った。その上で、金や銀などの実物資産で自衛することを勧めた。

  さらに、「金や銀でないならば、株式の方がましだろう」として、株式は「大きく上昇はしないかもしれないが、中央銀行の輪転機に合わせて適応はする」と指摘した。株式相場が2009年3月の安値に戻ることはないだろうとの見方も示した。

金は1オンス1500ドルに上昇へ=ブラックストーン予想

2010年 05月 20日 14:38 JST
[シドニー 19日 ロイター] 米プライベートエクイティ(PE)のブラックストーン・グループ(BX.N: 株価, 企業情報, レポート)は、金相場が1オンス当たり1500ドル近辺まで上昇すると予想している。
 ブラックストーン・アドバイザリー・パートナーズのバイロン・ウィーン副会長は記者団に対し、安全資産への逃避買いが進むに伴って金相場は現在の約1210ドルから1500ドル近辺に上昇するとの見通しを示した。

 また、オーストラリア政府が提案している40%の資源税について、導入されたとしても豪鉱山セクターから多額の投資資金が引き揚げられることはないとの見解を示した。

2010年6月8日火曜日

金相場:ロンドンとNYで最高値更新-安全資産の需要高まる

6月8日(ブルームバーグ):金相場が8日、ロンドンとニューヨーク市場で上昇し、最高値を更新した。欧州債務危機をめぐる懸念が強まる中、投資家は通貨に代わる投資先を模索している。

欧州各国の財政赤字削減策により成長が減速するとの観測が広がり、ユーロは7日に対ドルで約4年ぶり安値に下落。これを受けて、金はユーロやポンド、スイス・フラン建てでも高値を記録した。

金現物相場はロンドン市場で、前日比11.86ドル(1%)高まで上昇し、1オンス=1252.11ドルを付けた。ロンドン時間午前10時53分(日本時間午後6時53分)現在は1249.57ドル。5月14日に記録したこれまでの最高値1249.40ドルを上回った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は1254.50ドルに達した後、前日比0.9%高の1251.30ドルで推移している。

金は高値更新へ、景気2番底懸念で質に逃避-GFMSウォーカー氏

6月8日(ブルームバーグ):英貴金属調査会社GFMSのポール・ウォーカー最高経営責任者(CEO)は、金価格について今年5月につけた過去最高値を年内に更新する可能性が高いとの見通しを示した。欧州の債務危機で景気が2番底をつけるとの懸念を背景に、安全資産の金に「質への逃避」買いが入るとみている。

  7日、東京都内で開催された「GFMS社年次報告発表会」後にブルームバーグ・ニュースとの単独インタビューで答えた。ウォーカー氏は、「欧州でいま起こっていることは2番底の可能性を高めている」と指摘。金は、目先でいったん売られる局面もあるとした上で、年内は投資資金の流入が強気の相場を支えることになると予想した。

  金の現物価格は5月14日に欧州の財政や経済不安を受け、リスク回避の動きが活発化したことなどから1オンス=1249.40ドルと過去最高値を付けた。1999年8月に20年ぶりの安値となる251.95ドルを付けて以来約5倍となっている。金現物価格はシンガポール時間午前8時38分(日本時間同9時38分)現在、1238.71ドルで推移している。

  金相場の今後の見通しについて、ウォーカー氏は「投資に関してはまだ旺盛な意欲が年を通じてある。資金流入が増えれば、1300ドルを超えることもあり得る」と述べた。

  ウォーカー氏は、インタビューに先立つ「年次報告発表会」で2009年の金の需給バランスについて、鉱山生産量が宝飾品などの加工用需要を上回り、このギャップを投資需要が埋めたと説明した。

  ウォーカー氏は現在の市況水準である1オンス=1200ドル程度を維持するのに「年間で600億-800億ドルの正味の資金流入が必要になる」と述べた。金市況の下落リスクについては「投資家がほんの短期間であっても、金を買いたくないという瞬間があった時、150-200ドル程度下落する局面があると思う」と述べた。

  GFMSによると、09年の金供給量は4287トンと前年比8.3%上昇。中央銀行など公的部門からの売却量が大幅減少したものの、鉱山生産量が2572トンと6.8%増加した上、中古金スクラップも1674トンと27.2%増加した。一方、金需要は、宝飾品など加工用合計量が2417トンと16.3%減少したが、正味退蔵投資が前年比3倍強の1429トンに増加した。

金相場:1700ドルに上昇か、アジアの中央銀行の買いで-ドイツ銀

6月4日(ブルームバーグ):アジアの中央銀行が20年ぶりに金を購入しているため、金相場がさらに36%上昇するとの見通しを、ドイツ銀行の商品調査責任者、マイケル・ルイス氏(ロンドン在勤)が示した。金相場は先月、過去最高値の1オンス当たり1249.70ドルに達した。

  ルイス氏は3日、リマでのインタビューで、財政赤字の影響で主要通貨の価値の軟化が予想されるため金相場は向こう1年間に1オンス当たり1700ドルまで上昇する可能性があるとの見方を示した。ETF(上場投資信託)も「多大な影響」を及ぼしていると述べた。

  ユーロの代替となる投資先の需要が拡大するなか、金相場は5月14日に最高値を更新し1249.70ドルを付けた。リマで会議に出席中だったルイス氏は「価格は依然、現行水準から上昇し得る」と指摘。「中央銀行からの新規需要があり、ETFへの資金流入も依然として非常に堅調だ」と語った。

金価格1300ドル超 年内に最高値 英調査会社CEO見通し

6月8日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 世界的な金の調査会社「GFMS」(英)の最高経営責任者、ポール・ウォーカー氏が7日、都内で開かれた田中貴金属工業のセミナーで講演し、金価格が年内に1オンス=1300ドルを超え、史上最高値を更新する可能性があると指摘した。ただ、高値局面でヘッジファンドなどが売りに転じることも予想され、楽観視できないとしている。

 各国の超低金利政策の長期化やギリシャの財政危機を背景に、「安全資産」の金が投資マネーの受け皿になり、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物価格は5月12日に1243ドルを付け、過去最高値を更新した。

 ウォーカー氏は「通貨への信用不安に加え、今年は米国でのインフレ懸念も金への追い風になる」と強調した。その結果、2010年内の金価格は1050~1300ドルで高止まりし、年間平均価格で1170ドル前後、一時的には1300ドル超もあり得るとした。

 ただ、09年の金需要は、「宝飾品用」などの『実需』が前年比19.8%減少し、「投資用」が332.9%増と急拡大した。ヘッジファンドが投機用に大量保有しているとみられ、引き続き、投機的な動きに左右される見通しだ。

 ウォーカー氏は「年内は上昇トレンドが続くが、来年以降、中長期的には(ファンドの売りなどで)反落する場面もみられる」と予想している。