2011年3月10日木曜日

中国は米国債購入中止すべきだ、デフォルトリスクある-元人民銀委員

3月10日(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)の元貨幣政策委員、余永定氏は10日、中国が米国債の購入を中止すべきだとの見解を示した。デフォルト(債務不履行)に直面する可能性のある国家に金を貸す「コスト」は高過ぎると指摘した。中国は米国の最大の債権国。

  余氏は電子メールで配布したコメントで、米国の債務は法定上限である14兆3000億ドル(約1186兆円)に数カ月以内に達する公算で、これはデフォルトにつながる可能性のあるものだと指摘。米国がユーロ圏の一国だったならば、とうの昔にデフォルトまたは救済受け入れを余儀なくされていただろうとも述べた。同氏は現在、中国社会科学院世界経済政治研究所の所長を務めている。

  同氏はさらに「中国は輸出の勢いを止めないため」と、保有している米国債からの「損失を回避するため、米国に金を貸し続けてきた」とし、「既に保有しているものについては深刻な政治的、財政的悪影響なくして策を講じるには恐らく遅過ぎるが、少なくとも保有を積み上げ続けることはやめるべきだ」と続けた。

  人民銀貨幣政策委員の李稲葵氏ら当局者も、外貨準備を米国債中心から多様化することを呼び掛けている。中国の米国債保有高は昨年10月に1兆1750億ドルに達し、過去最大を記録した。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は先月、旗艦ファンドの「トータル・リターン・ファンド」の2370億ドルのポートフォリオから米国債をすべて除外した。

世界長者番付:メキシコの富豪スリム氏が首位維持-米フォーブス誌

3月10日(ブルームバーグ):米経済誌フォーブスが発表した2011年の世界長者番付で、メキシコの富豪カルロス・スリム氏が2年連続で首位となった。

  米州最大の携帯電話サービス会社などを保有するスリム氏(71)の純資産は、前年比で205億ドル(約1兆7000億円)増加した。2位は米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長(55)で、資産は30億ドル増の560億ドル。3位は米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット最高経営責任者(CEO)で、500億ドル。上位3人の順位は昨年と同じだった。

  今年の番付では、資産額10億ドル以上の「富豪」が計1210人と、過去最高になった。これまでの最高は08年の1125人。新たに番付入りした214人のうち、中国が54人、ロシアが31人だった。アジア太平洋地域の富豪の数は過去10年余りで初めて欧州を抜き、地域別での増加数はトップ。105人が番付入りした。都市別ではモスクワ(79人)がニューヨーク(58人)から首位の座を奪った。

  フォーブス・メディアのスティーブ・フォーブス主筆は9日、同番付の発表記者会見で、「世界的に大きな話題は、個人よりもBRICsと呼ばれる新興国諸国とアジア太平洋地域での動きだ」と語った。

  同主筆はスリム氏の資産額について、前年比で他の誰よりも大幅に伸びたと指摘。「今年は段違いだった」と述べた。

ザッカーバーグ氏躍進

  ソーシャルネットワーキング・サイト(SNS)を運営する米フェースブックの共同創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ氏(26)は今年52位と、昨年の212位から大幅躍進した。

  アジア勢トップは世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロールミタルのラクシュミ・ミタルCEO(60)で、全体の順位は5位から6位に下げた。資産は24億ドル増の311億ドル。

香港を除く中国の富豪トップはロビン・リー(李彦宏)氏(42)で、世界番付の順位は10年の258位から95位に上昇した。同氏の資産は59億ドル増の94億ドル。同氏は中国の検索サイト最大手、百度(バイドゥ)のCEO。香港の最大の富豪は前年に続いて李嘉誠氏(82)で、資産は50億ドル増の260億ドルとなり、全体では11位だった。

2011年3月9日水曜日

ルービニNY大教授:原油140ドルなら一部先進国・地域は二番底に

3月8日(ブルームバーグ):世界的な金融危機を予測したことで知られる米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は8日、原油相場が1バレル=140ドルに達すれば、一部先進国・地域の景気は二番底に陥ると警告した。

ルービニ教授は、世界的な景気回復の脆弱(ぜいじゃく)性を強調し、ユーロ圏の高債務周辺国が輸出競争力の回復に向けて懸命に努力する中で、欧州中央銀行(ECB)が「時期尚早の」利上げを行えば、過ちを犯すことになると語った。

同教授はドバイで記者団に対し、「原油価格が2008年夏に付けた140ドルに達すれば、その時点で一部先進国・地域の景気は二番底に陥り始めるだろう」と予想。「経済成長が加速しつつある米国では、原油価格が15-20%上昇しても二番底とはならないだろうが、成長ペースが再び失速することだろう」と指摘した。

同教授はこの日、ドバイで開かれたヘッジファンド関連の会議で、現行の原油価格が先進国・地域のインフレの「著しい」加速を招く公算は小さいと発言。それらの地域が「深刻なリセッション(景気後退)」からの回復段階にあり、高い失業率になお直面していることを理由に挙げ、「労働者にはあまり強い賃金交渉力がない」と述べた。

さらに、失業率がコアインフレ率を抑えている状況で、一部先進国・地域が「早過ぎる」利上げを実施すれば過ちを犯すことになりかねないと付け加えた。ECBのトリシェ総裁は3日、物価上昇圧力の増大に対処するため、早ければ4月にも利上げに踏み切る可能性を示唆した。

2011年3月7日月曜日

バフェット氏が22日にタンガロイ新工場式典に出席

ロイター 3月7日(月)15時1分配信

[東京 7日 ロイター] 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が3月21日に来日し、3月22日に日本の超硬工具メーカーのタンガロイ(福島県いわき市)の新工場の開業式典に出席することが明らかになった。

 同社の広報担当者がロイターの取材に明らかにしたところによると、バフェット氏は記者会見にも出席する。日本には初めて訪問するとみられているが、式典に出席した後、他に国内の訪問予定はなく、再び海外に出発するという。

 タンガロイは2004年に東芝<6502.T>グループから独立。08年にバフェット氏傘下の米投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N>が80%出資しているIMC(IMCインターナショナル・メタルワーキング・カンパニーズB.V.)から100%出資を受けて完全子会社となった。