2011年6月4日土曜日

MGMチャイナが香港でIPO-パンジー・ホー氏、1200億円調達

5月17日(ブルームバーグ):マカオの資産家スタンレー・ホー氏の娘パンジー・ホー氏は、香港で実施されたカジノ会社MGMチャイナ・ホールディングス(美高梅中国)の新規株式公開(IPO)で同社株を売り出し、想定額の最高となる15億ドル(約1200億円)相当の資金を調達した。マカオのカジノ収入の伸びが追い風となった。

パンジー・ホー氏と米MGMリゾーツ・インターナショナルの合弁会社であるMGMチャイナのIPO価格は1株15.34香港ドル(約160円)と、仮条件レンジの上限だった。MGMチャイナが27日、発表した。

香港で10億ドル以上の仮条件レンジ上限でIPOが実施されたのは昨年10月の保険会社AIAグループ以来。マカオのカジノ収入の伸びが今後も米ラスベガスを上回るとの楽観的な見通しを反映している。資産家ジョン・ポールソン氏のヘッジファンドも売り出し株を購入した。

UOBケイ・ヒアンのアナリスト、ビクター・イップ氏は「マカオのカジノは今年の人気セクターだ。収入が伸び続けている」と指摘。「MGMチャイナは同業他社に比べ、裕福な顧客層を持ち、より優れたサービスを提供している」との見方を示した。

今年の香港市場で、資産家シェルドン・アデルソン氏率いるカジノ会社サンズ・チャイナの株価は23%上昇。スティーブ・ウィン氏のウィン・マカオも54%高となっている。両社の香港上場は2009年。

2011年5月29日日曜日

ルービニ教授:株価調整へ向け「転換点」、景気減速で下振れリスク

5月27日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、経済成長が減速し始める可能性があるため、株式市場は調整への「転換点」にあるとの認識を示した。同氏は2008年の金融危機を正確に予測したことで知られる。

  ルービニ教授は27日、ブダペストでの会議で、企業は世界的な回復に乗り売上高や利益を拡大し、株価上昇を支えてきたと指摘。現在は、世界的な景気減速の兆しで株価が押し下げられる可能性があると述べた。

  同教授は、「市場は世界的な景気回復が順調に進んでいると確信していたため、懸念事項など問題ではないとしてすべての懸念を一蹴することになると、2週間前まで私は考えていた」と発言。「しかし、現在は市場調整への「転換点」にあると考えるようになった。米国や欧州、日本、中国のデータは景気鈍化を示唆している」と続けた。

  さらに、「現在まで、株価は予想を上回る利益や売上高、利益マージンに支えられてきた」と指摘。「しかし、この3つのすべてが圧迫されている。世界的な経済成長の鈍化で、これらは下振れ方向でサプライズとなるだろう。調整が始まり、ボラティリティを高め、リスク回避の動きが強まるだろう」と語った。

ゴールドマンも信頼した聡明な慈善家、ガネーシャ神には祝福されず

5月27日(ブルームバーグ):2003年6月のある晴れた金曜日の午後、ラジャット・グプタ氏(62)は米コネティカット州ウェストポートの水辺の自宅でマッキンゼーの同僚たちに囲まれていた。彼らはロンドンやフランクフルト、ニューデリーなど世界中からやって来た。彼らは連れてきた象を庭先につないだ。

  グプタ氏は9年間マネジングディレクターを務めたこのコンサルティング会社を退社しようとしていた。同僚のパートナーたちは同氏の新たな門出を祝福するため集まったのだった。

  一同はシャンパンで乾杯し、美しい布で飾られた象と並んだグプタ氏の写真を撮った。象はヒンズー教のガネーシャ神の象徴だ。新たな門出に幸運をもたらすとされている。グプタ氏は像の鼻に触れながらほほ笑んだ。ブルームバーグ・マーケッツ誌7月号が報じた。

  この時一緒に乾杯した人たちは今、非常に驚いていると口々に言う。米証券取引委員会(SEC)は今年3月、グプタ氏に対する行政措置を講じた。同氏が機密情報をヘッジファンド運用者のラジ・ラジャラトナム被告に漏らしたためだとSECは主張した。これは米史上最大のインサイダー取引事件だ。

  ラジャラトナム被告は今月11日、共同謀議や証券詐欺など14の罪状で有罪の陪審評決を受けた。7月29日の判決では、禁固19年が言い渡される可能性がある。

盗聴記録

  当局による盗聴や電話の記録で、グプタ氏が2008、09年にラジャラトナム被告に電話で9回にわたり情報を漏らしていたことが判明。ラジャラトナム被告のヘッジファンド、ガリオン・グループはこの情報に基づき取引した。

  グプタ氏はコネティカット州の自宅のほかにニューヨーク・マンハッタンのマンションとフロリダ州の別荘を行き来して暮らしている。ただ、同氏の「二重生活」は住居ばかりではなかった。

  世界で最も信頼され高い権威を持つコンサルティング会社に34年勤め、退社した07年までの最後の9年間はマネジングディレクターだった。

  米ゴールドマン・サックス・グループのロイズ・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)を含む経営者らの相談相手であり、同社を含め6社の公開企業の取締役を務めていた。

          聡明で謙虚な慈善家

  慈善家でもあり、教育や医療のために多額の資金集めもした。特に出身地のインドのために貢献した。マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏やビル・クリントン元米大統領、インドのシン首相らとともに活動したこともある。友人たちはグプタ氏のことを聡明で謙虚と形容する。

  秘密保持の堅さで知られるマッキンゼーで、グプタ氏は自分の秘密も隠していた。マッキンゼーのマネジングディレクター、さらにシニアパートナーとして勤務する傍ら、個人でコンサルティング業もしていた。サイドビジネスはマッキンゼーで禁じられている。

  マッキンゼーの元パートナーで機密情報をラジャラトナム被告に漏らしたとして有罪を認めたアニル・クマー被告とグプタ氏は、自分たちのコンサルティング会社を設立していた。グプタ氏は個人でもインドの会社にアドバイスしていた。いずれもマッキンゼーの社内規則違反だ。

              踏み外し

  マッキンゼーのパートナーで広報担当役員のマイケル・スチュアート氏は「社員が会社業務以外で個人として金銭を受け取りコンサルティングやアドバイスのサービスを提供することは常に、当社の専門職としての価値と基準に明らかに反する行為だ」と説明した。

  グプタ氏は10年前に既に大金持ちだったにもかかわらず、道を踏み外し始めた。ウォール街の運用者たちと多くの時間を過ごすようになり、コンサルティングだけでなく、自分で金融案件を手掛ける仕事をしたいと同僚に語るようになった。グプタ氏はこの記事に関連してコメントを拒んだ。

  グプタ氏はインドのために慈善事業をしながら、自身の富を膨らませる欲望によって善悪の判断を失っていったと、グレート・レークス・インスティチュート・オブ・マネジメント(インド・チェンナイ)のバラ・バラチャンドラン学部長は指摘。グプタ氏は「億万長者の生活を望み、短時間で大金持ちになる道を探し求めた」と語った。

           間違った仲間選び

  企業経営者たちに助言する立場のグプタ氏だが、自身の共同経営者選びでは間違った。

  マッキンゼーで定年を迎えるまであと2年となった2006年12月、グプタ氏はプライベートエクイティ(未公開株)投資会社、ニュー・シルク・ルート・パートナーズを他の投資家とともに設立したが、共同創業者のうち3人はSECに制裁金を払った過去があった。

  その1人がラジャラトナム被告だった。同被告のガリオンは05年5月に制裁金200万ドルを支払うとともに、利益を返還してSECと和解していた。SECは不適切な取引を指摘していたが、ガリオンは不正を肯定も否定もせず和解した。

  バラチャンドラン氏は事業パートナーの選択についてグプタ氏に警告していた。「あなたはワシなのに、なぜ飛べないニワトリたちと交わるのか。鳥インフルエンザを移されるよ」とバラチャンドラン氏はグプタ氏に忠告したという。

            長い付き合い

  グプタ氏はガリオンのインサイダー取引事件で訴追されてはいない。SECの処分は民事で、最悪でも制裁金の支払いや米国の公開企業の取締役就任を禁じられるだけだ。

  グプタ氏とラジャラトナム被告は1990年代からの知り合いで、個人的にも仕事面でも付き合いがあった。グプタ氏は個人の資金1000万ドルをラジャラトナム被告のファンドに投資していたと、グプタ氏の代理人、ゲーリー・ナフタリス弁護士が明らかにしている。しかし、グプタ氏がラジャラトナム被告に渡したのは金だけではなかった。取締役を務めていたゴールドマンやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)についての情報も流していたと、ラジャラトナム被告の裁判で検察側が主張した。

  検察側はグプタ氏を起訴されていない共謀者と呼んだ。検察はラジャラトナム被告の裁判で、グプタ氏が08年にゴールドマン取締役会がアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)かワコビアを買収する可能性について協議したことをラジャラトナム被告に伝えていた内容の盗聴データを証拠として提出した。

             決算内容も

  SECによると、グプタ氏はゴールドマンとP&Gの決算内容も発表前に漏らしていた。

  グプタ氏は自身が設立に関わったインディアン・スクール・オブ・ビジネスの取締役会への2月下旬の電子メールで身の潔白を主張。「私は何ら不正を行っていない。SECの主張は全く根拠がない」と述べている。

  マッキンゼー出身者らはSECによるグプタ氏への処分に動揺を隠せない。03-09年にグプタ氏の後任のマネジングディレクターを務め現在は英BPと米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の取締役のイアン・デービス氏は、「ショックを受けた。グプタ氏が疑いを持たれていると聞き、とにかく驚いた」と話した。

  米ゴールデンゲート大学の経営大学院長、テリー・コネリー氏は、グプタ氏は「スーパーリッチ」な人々をねたみ、彼らと張り合うことにとらわれてしまったと言う。元ソロモン・ブラザーズのマネジングディレクターだった同氏は「個人資産額にゼロを3つ以上追加することへの誘惑を決して甘く見てはいけない」と指摘。「成功者であっても、ヘッジファンド運用者らと付き合っていて自分が彼らほど金持ちでないと気付くと、『なぜだ。私だって彼らと全く同じくらい頭がいいのに』と考え始めるものだ」と話した。

内モンゴル・草原の街で市民1000人が武装警察と対峙―中国

サーチナ 5月27日(金)10時54分配信

 中国・内モンゴル自治区シリンゴル盟の西ウジムチン旗で、炭鉱開設に反対していたモンゴル族の権利活動家が、トラックにひかれて死亡した件に抗議して、市民ら1000人が武装警察と対峙する事態となった。

 目撃者のひとりによると、「24日、政府庁舎の前に1000人以上が集まった」と話した。博訊網は、目撃者が23日に撮影した写真も公表。武装警察と市民らがが対峙する様子が写されていた。24日の抗議活動では4人が逮捕されたという。

 発端は、5月10日に1人のモンゴル族の遊牧民が、石炭を運ぶ大型トラックにひかれて死亡する事件だった。この遊牧民は、地元に炭鉱が建設されて環境が破壊されるのに反対し、何度も政府に抗議していたという。

 2010年12月には浙江省で、政府が発電所建設のために土地を強制収用したことに抗議した活動家が、トラックにひかれて死亡し、注目を集めたが、警察は「交通事故」として処理した。

◆解説◆
 モンゴル遊牧民は、「草原に穴を掘ること」をタブーとしてきた。草が生えている表土層はごく薄く、その下は砂地や岩盤である場合が多いので、穴を掘ると、そこから砂漠化が始まることを、経験で知っていたからとされる。炭鉱開発に反対する背景には、伝統的な「環境保護意識」があると考えられる。

 シリンゴルの漢字表記は「錫林郭勒」、ウジムチン(ウジェムチン)は「西烏珠穆沁」。「盟」と「旗」は内モンゴル特有の行政区分。モンゴル語では「アイマグ」、「ホショー」。もともとは部族名だったが、清代に部族ごとの放牧地域が固定されたため、地名として使われるようになった。シリンゴルは内モンゴルでも「最も美しい草原地帯」のひとつとされ、現在でも牧畜業が盛んだ。

.ピラミッド17基発見=衛星画像で米研究者解析―エジプト

時事通信 5月27日(金)5時40分配信

 【カイロ時事】英BBC放送(電子版)は26日までに、米航空宇宙局(NASA)の衛星が写したエジプトの赤外線画像を米研究者が解析し、首都カイロ南方サッカラなどで古代エジプトの未発見のピラミッド17基を特定したと報じた。既に発掘調査が行われ、うち2基については存在が確認されたという。
 米アラバマ大学バーミングハム校のエジプト学者サラ・パーカク博士が調査を手掛けたもので、ピラミッドのほか、1000カ所以上の墓所や約3000カ所の住居跡も見つかった。

テスラが新株発行、SUV開発資金調達へ

レスポンス 5月27日(金)11時30分配信

米国テスラモーターズは25日、新株発行により、最大2億1400万ドル(約175億円)の資金を調達すると発表した。

新株発行は、公募と私募で実施。公募は1株当たり26ドル(約2100円)で、普通株609万5000株を売却。最大1億5850万ドル(約130億円)の資金調達を目指す。

私募も1株26ドルで、テスラのイーロン・マスクCEOが150万株を購入。ダイムラーの投資部門、ブラックスター・インベストコが64万4475株を引き受ける。これにより、5580万ドル(約45億円)を調達する。

新株発行によって調達した資金は、主に2013年後半に発売予定の新型EV、『モデルX』の開発に充当。モデルXは2ドアオープンスポーツの『ロードスター』、4ドアスポーツの『モデルS』に続く、テスラの3番目の市販EVとなる。