2009年5月2日土曜日

銀のパフォーマンス:06年以来初めて金しのぐ可能性-投資需要で

2009/03/02 13:15
3月2日(ブルームバーグ):金と銀の価格差が過去13年で最大となっていることから、銀が今年、1979年以降で最高の年間リターン(投資収益率)を上げるとの見方が投資家の間で強まっている。79年にはハント兄弟が銀を買い占めた。

  米政府が総額9兆7000億ドル(約950兆円)規模の景気刺激策を打ち出したため、米国債が下落するとの懸念が広がっている。S&P500 種株価指数が過去1年間で47%下落するなか、資産運用会社は貴金属の購入を進めている。貴金属調査会社、英GFMSのフィリップ・クラプウィジク会長は、金相場が今年25%上げ、銀相場は58%上昇し1オンス当たり18ドルになると予想している。

  ハンティントン・アセット・アドバイザーズで総額155億ドルの資産運用に携わるピーター・ソレンティーノ氏は「銀相場はうまく連動して上昇するだろう」と予想。「価値の保存を目指して投資家らは貴金属に逃避している。銀相場は出遅れたが急速に追い上げている。ただ、依然としてパフォーマンスの差はある」との見方を示す。ハンティントンは資産の約7%を銀に、約3%を金に、それぞれ投資している。金相場は過去最高値を1オンス当たり約80ドル下回る水準で取引されている。

  銀相場が上昇すれば、世界最大の銀生産会社フレスニージョ(メキシコ)やペルーのリマを拠点とするホックシールド・マイニング、カナダのパン・アメリカン・シルバーなどの利益につながる可能性がある。銀の主要生産国であるペルーとメキシコの輸出収入も拡大が見込まれる。一方、銀は写真用品の原料となるため、写真用品大手の米イーストマン・コダックはコスト増に直面することになる。

  前回、銀相場のパフォーマンスが金を上回ったのは2006年だった。 24銘柄で構成するスタンダード・アンド・プアーズのゴールドマン・サックス商品指数(S&P GSCI商品指数)は今年に入って3.7%下落している。2008年は年間ベースで43%下げ、同指数が導入された1971 年以降で最大の下落率を示した。

「まだ高騰していない」

  銀現物相場は過去1年間で35%下落し、1オンス当たり13.2350ドル。金相場の下落率は3.2%にとどまり、1オンス当たり951.80ドルとなっている。

  このため、金と銀の価格差が広がった。ブルームバーグ・ニュースが集計したデータによると、金1オンス当たりの価格で購入できる銀の量は72オンスと、過去2年間の平均である58オンスから増加している。昨年10月には84.39オンスと、95年3月以降で最大となった。

  デルタ・グローバル・アドバイザーズ(カリフォルニア州)で10 億ドル相当の運用を手掛けるチップ・ハンロン社長は「銀相場は最近上昇を始めたばかりで、まだ高騰していない」と指摘。「金相場がさらに上昇すれば、心理的に金を購入するのが困難になってくる。そのため、人々は銀に目を向ける」との見方を示し、銀相場が20ドルに達すると予想する。

  世界の大手金融機関が総額1兆2000億ドルを超える評価損や損失を計上し、世界経済がリセッション(景気後退)に陥るなか、投資家らは他のほぼすべての投資先よりも貴金属に好んで投資している。

「貧しい人々にとっての金」

  グレシャム・インベストメント・マネジメント(ニューヨーク)の調査ディレクター、ダグ・ヘップワース氏は「銀は貧しい人々にとっての金であり、貧困層は以前と比較して非常に多くなっている」と指摘。「現在のような環境では、商品銘柄のうち金と銀だけが高騰し得る」との見方を示す。

  ダラス在住の資産家、ネルソン・ハント氏とウィリアム・ハント氏の兄弟が銀を買い占めたため、79年年初に1オンス当たり6ドルだった銀相場は80年初めには50ドルに高騰した。兄弟は88年に相場操縦の共謀容疑で有罪判決を受け、罰金1億3000万ドルの支払いを命じられた。

豚インフルエンザ騒ぎに思うこと

(転載)
銀の供給面ではメキシコが世界最大の生産国であることから、その生産・輸出動向や政治・経済情勢も重要な変動要因になります。銀の他に石油・金・銅・ウランといった天然鉱物資源が豊富で、国家経済はこれらの資源輸出に大きく依存しています。

こちらも
(転載)
「ハント兄弟」による「銀の買い占め事件」のことだが、今から30年ほど前の「1979年から1980年」にかけて、「銀の価格が割安だ」と考えた「ハント兄弟」が、「世界中の銀を買い占めようとした事件」が起きたのである。しかし、実際には、「価格の急騰」により「銀の食器」などが鋳潰(つぶ)され、「銀塊として、市場に出回る」という結果になり、最終的には、「ハント兄弟が倒産した」という状況になったのだが、この出来事は、「さまざまな教訓」を、われわれに与えてくれているようだ。
 つまり、どのような相場においても「価格の調整」が重要であり、「値上がりし過ぎた商品には大量の供給が行われる」ということである。その結果として、「買い占め」の試みは「ほとんどの場合に成功しない」ともいえるのだが、「末尾に9の付く年」は、このような「無謀な動き」が出やすいということでもある。また、その前年の「末尾に8の付く年」には、「いろいろな兆候が現れ始める」ということでもあるが、前述の通りに、「さまざまな商品の値上がり」により、「早く実物資産を買わなければいけない」というような、「買い占めが起きやすい雰囲気」が徐々に出来上がるということが考えられるのである。

またまた
(転載)
現在の銀投資需要は1960年代、ハント兄弟が買い占めた6,700㌧よりも多いのに(※)、なぜ今週海外銀相場は高騰しないのか。それは銀が貴金属であると同時に「ベースメタル」の一員であるためである。
ベースメタルとは、銅、鉛、亜鉛といった非鉄金属である。島根県の石見銀山が世界一の銀鉱山だったが、1960年代までは「銀を専門に掘る鉱山」は世界中に多数多数存在したが、現在は「銀を専門に掘る鉱山」は全くといっていいほど存在しない。現在は非鉄ベースメタルからのバイプロ(By-production)と呼ばれる随伴生産がほとんどであり、ベースメタルを採掘・精製する過程で銀を採り出す流れが主体となっている。
 ベースメタルの相場に、海外銀相場が連れ安する理由はここにある。世界中で金融不安が渦巻いて不景気が続いている以上、ベースメタル相場も精彩を欠いている状況が続いている。このため、海外銀相場の上伸力は半分そがれた状態にある。

【バサラ男の一人言】
不景気で随伴生産が減ったらどうするの? ということですね。

2009年4月27日月曜日

若林栄四NewYork便り

いよいよドル安のタイミングがやってきたように見える。
ユーロでは既に始まった。ドル・円でもあと1-2週間で本格的にドルが下がり始めるだろう。
米国の景気が悪いとか、欧州の景気がいいとか、そういう話ではなく、ドル印刷政策だからドルが下がるというのは、きわめて分かりやすい。
ユーロは、中期的にはここ3ヶ月ぐらいで1.41-42を目指すように見える。
ドル・円は91-2円まで5月中にやるような気がする。
昨年末のドル・円相場が90円台であった。
年足で100円をしっかり切ったのは昨年がはじめてである。世の中が変わったということか。
100円以上のドルは、とにかく売っておけばいいというのが、これからの当分の流れになりそうだ。
今回のドル売りのチャンスを逃すと、今度は8月中旬にもう一度ドル売りのチャンスが来そうだが、そのときのドル・円相場が100円以上である保証はない。5月第1週のドル売りのチャンスを逃さないようにしよう。
金相場が予想通り、910ドルまで上がってきた。まだまだ序の口なので、、どんどん買って行きたい。


【バサラ男の独り言】
 円をユーロにするつもりでしたが先生のご託宣に従い様子見としました。金についてはチャートを見てもまだ上があるとは思いますが現時点では怖くて手が出せません。若林氏、豊島氏両氏とも期末のヘッジファンド売りは終了というお考えのようですが・・・。