2009年1月18日日曜日

09年の10のサプライズ、大半が日本市場にはポジティブなものに=ゴールドマン

[東京 13日 ロイター] ゴールドマン・サックス証券(GS証券)は13日付のリポートで、2009年の日本の株式市場で生じる可能性のある10のサプライズを挙げた。GS証券は「08年が証明したように世界はサプライズに満ちている」とした上で、08年は数々のマイナスのショックに見舞われたのに対し、09年のサプライズは大半はポジティブなものになるとの見方を示している。


 具体的には、1)民主党が衆議院選挙で勝利し、政権を取る、2)政府がソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)を設立、3)原油価格がバレル当たり80ドルを超える水準まで反騰、4)新興国で金融危機が発生、5)外国企業が強力なブランドと技術を有する日本の大手企業を買収、6)政府が法人実効税率を引き下げ、7)国内投資家が2年連続で日本株を買い越し、8)国内機関投資家が国内企業を相手に委任状闘争を展開、9)地政学的不安を背景に防衛費が拡大、10)東京が2016年夏季オリンピックの開催地に決定──が10のサプライズとなっている。


 それぞれの事象で予想される影響については、1)は短期的にはネガティブだが、中長期的にはポジティブとの見方だ。理由は、投資家は民主党政権下で改革色の弱い社会主義的な政策がとられるとの懸念から、当初は政権交代を嫌気する公算が大きいため。ただ、中長期的に自民・民主両党の党分裂を招き、本格的な二大政党制の誕生を導き、成長・改革志向の政策の実現をもたらすなら、影響はポジティブという。2)については、SWF設立で、債券から株式へ資産配分がシフトする可能性があるという点でポジティブ。3)は市場にとってはネガティブだが、石油精製会社や商社、代替エネルギー関連企業にはポジティブ。4)は市場(特に新興国関連銘柄)にとってはネガティブ。5)は再編やM&A(合併・買収)のさらなる進展を促すという点でポジティブ。6)は日本企業の国際競争力と収益性の向上につながると考えられるためポジティブ。7)は市場(特に高配当利回り銘柄)にとってポジティブ。8)も市場にとってポジティブ。9)は市場にはネガティブだが、防衛関連企業にはおそらくポジティブ。10)は2.8兆円(GDP比5%)の経済効果が期待できるためポジティブ──との見方を示している。


 なお、この10サプライズはGSが予想する事象ではなく、一般の認識に反して発生する可能性が十分にあると考える事象のリスト。