2010年6月26日土曜日

金の投資家:NYの取引所からの引き取り量、前年比39%増-WSJ

6月25日(ブルームバーグ):米CMEグループのCOMEX部門(ニューヨーク)で取引される金先物のうち、受け渡し期限が到来した現物の投資家による年初来の引き取り量が、前年同期比で39%増加したと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

  同紙は、バークレイズ・キャピタルの貴金属担当プロダクトマネジャー、ジョナサン・スポール氏の話として、同社がロンドンにある金貯蔵スペースを拡張しようとしていると伝えている。同紙によると、アルゼンチンを拠点とするオカサは、ニューヨークで向こう数カ月以内に広さ16万5000平方フィート(約1万5000平方メートル)の金貯蔵スペースを開設する計画。米国で最大規模になるという。

米上下両院:金融規制改革法案を一本化、来週採決へ

6月25日(ブルームバーグ):米上下両院協議会は25 日、金融規制改革法案の一本化で合意した。同法案は大恐慌以来の大幅な改革で、ウォール街への監視の枠組みが根本から変わることになる。

  上下両院の議員らは夜を徹した20時間の協議で、銀行の自己勘定取引の禁止やデリバティブ(金融派生商品)市場監視について、合意に達した。破たんが市場を揺るがすような大手機関の整理の手続きやヘッジファンドの登録、格付け会社を相手取った訴訟を容易にする措置などでも合意している。

  下院金融委員会のフランク委員長(民主、マサチューセッツ州)は23日、最終協議に入る前に記者団に、「非常に強力な法案だ。大方が考えていたよりも力強い内容だ」と語っていた。

  上下両院案の一本化作業には2週間を要した。法案は今後、両院の本会議で採決される。議会指導部は来週に採決する方針で、7月4日までにオバマ大統領の署名を得て成立する見通し。

  法案は消費者保護とリスク抑制、市場に対する脅威発生の監視、規制当局の緊急権限強化で「大き過ぎてつぶせない」機関の公的資金による救済といった事態を避けることが狙い。

  上院銀行委員会のドッド委員長(民主、コネティカット州)は23 日、これらの達成は「大きな成果だ」と語っていた。「ドッド・フランク法案」と呼ばれることになったこの法案について、その方向が正しいか、内容が十分かなどにはまだ議論がある。連邦預金保険公社(FDIC)のウィリアム・アイザック元総裁は23日、「改革すべきものを何も改革していない」と批判していた。

  両院議員らが25日朝に合意した法案の骨子は以下の通り。

◎ボルカールール  ポール・ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長が提唱した銀行に自己勘定取引を禁じる案は、上院側が歩み寄る形で緩和された。銀行によるプライベートエクイティ(未公開株)ファンドやヘッジファンドへの投資は認められる。ただ、ファンドの資金の3%を超えて出資することはできない。また、銀行の中核的自己資本(Tier1)の3%を超える投資もできない。

◎デリバティブ(金融派生商品)  デリバティブ規制についての最大の争点は、スワップ取引の一部を銀行から切り離し子会社に移管することを求めることだった。連銀窓口貸出利用などの優遇を得ている貯蓄金融機関から高リスク業務を切り離すことが目的。上院農業委員長を務めるリンカーン議員(民主、アーカンソー州)の修正原案は商業銀行によるスワップ取引を完全に禁止する内容だったが、コスト増大や競争力低下への懸念を理由に反対が根強かった。

  土壇場の交渉によって結局、リスクヘッジのための金利スワップや為替スワップについては銀行が取引業務を行えることで、全当事者が合意した。一方、FDICの保険の対象となる銀行は2年以内に、未決済のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などを別資本の子会社に移管しなければならない。

◎消費者保護  法案は、米連邦準備制度理事会(FRB)の下に消費者保護局を創設し、銀行と金融サービス会社を監視することを定めた。クレジットカードや住宅ローンなどで不正行為から消費者を守ることが狙い。

◎金融安定監視委員会  ウォール街の大手金融機関や他の市場参加者を監視し、システミックリスクの発生に対応する最上位の規制当局として「ファイナンシャル・スタビリティ・オーバーサイト・カウンシル(FSOC、金融安定監視委員会)を創設する。

◎銀行の自己資本  銀行持ち株会社の自己資本が子会社である銀行を下回ることはできない。これはトラスト型優先証券(TruPS)の利用に影響する。資産規模150億ドル以上の銀行は5年間でTruPSを普通株その他の資本証券に転換しなければならない。2000年以来TruPSによって資本を調達してきた地域銀行には20年の猶予が認められた。

◎米連邦準備制度理事会(FRB)  FRBの監督範囲を拡大すると同時に透明性を高める。FRB議長は新設のFSOCの一員となる。

◎格付け会社  特定の証券について当局が格付け会社を選択する規則については、米証券取引委員会(SEC)が2年をかけて検討することになった。格付け会社を相手取った訴訟を容易にする責任条項についても内容が緩和された。

◎プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社とヘッジファンド  大規模ヘッジファンドとPEファンドはSECへの登録が義務付けられ、連邦政府の監視下に置かれることになる。ベンチャーキャピタル(VC)ファンドは登録義務を免れた。

◎破たん機関の整理  現在、商業銀行を整理する権限を持つFDICに、破たんが経済を揺るがすような大手金融機関の整理の権限も与える。

◎リスク移転  一部の住宅金融業者を除く貸し手に、証券化などにより売却する貸し出し債権の少なくとも5%を自社で保持することを義務付ける。金融危機の一因となった安易な資金調達・与信拡大を抑えることが目的。

◎受託者義務  株式ブローカーに受託者義務を負わせる案は、SECがそのような規制変更の必要性を検討することになった。利益相反の情報開示を義務付けるとともに顧客の利益となる商品以外の販促を禁じる条項は当面、盛り込まれなかった。

◎保険業界  米財務省の下に、保険業界監視のためのフェデラル・インシュアランス・オフィス(連邦保険局)を創設する。

ボブ・ホイ Gold –月曜日にサポートできるかが重要

JUN 23, 2010
20日移動平均線のある$1230以上で引ければ上昇。 割れれば$1160かそれ以下に落ちるでしょう。

<投資コンサルタント>金商法違反容疑「六本木の巫女」捜索

6月26日2時34分配信 毎日新聞

 福岡市早良区の投資コンサルタント会社「夢大陸」が金融庁の許可を受けずに海外の金融商品を扱ったとして、金融商品取引法違反(無登録)容疑で福岡県警の家宅捜索を受けていたことが、同社関係者の話で分かった。「夢大陸」は女性を中心に投資話を持ちかけ全国各地の数百人から計数十億円を集めたとみられる。顧客から「出資金が戻らない」との苦情が相次いでおり、県警は関係者から事情を聴くなど違法ビジネスの実態解明に向けて捜査している。

 「夢大陸」関係者によると、家宅捜索を受けたのは4月9日。同社は、金融庁に無許可で、自社のホームページや機関誌、金融セミナーを通じて、安全な資産運用ができるとして海外口座を開設して預金するよう持ちかけたり、海外の有価証券購入などをあっせんしたりしていたという。

 同社の50代の女性社長は「六本木の巫女(みこ)」などと称して会員を募り、財テクを指南していた。

【東京バサラ】
 この下品な女性はHSBCシンガポールの紹介斡旋等で稼いでいたようですが、昨秋には日本で預金封鎖がすぐにもあるという話をべらんめえ調で話していました。ハワイのコーヒー農園で金を掻き集めた増田敏男といい、経済不安を煽って金を毟る悪人が絶えません。定期的に本を出しているヒトでも上がるとは限らない投信を販売して儲けていますから、自己防衛のためにも学習は欠かせませんね。

2010年6月24日木曜日

ジム・ロジャーズ氏がユーロ買い-救済で傷付いても消えるのは15年先

6月16日(ブルームバーグ):著名投資家ジム・ロジャーズ氏は、ユーロを購入していることを明らかにした。同氏は一方で、財政赤字国の救済が最終的には共通通貨を破壊するとみている。

  同氏は16日マドリードでのインタビューで、「こうなるはずではなかった」とし、「欧州のためにも世界のためにも、失敗をした人を救済するのが良いことだとは思わない」と述べた。

  ユーロ圏の一部の国の財政赤字問題を背景に、ユーロは今年に入り14%下落。欧州連合(EU)は7500億ユーロ規模の救済メカニズムを取りまとめた。

  ロジャーズ氏は「強い通貨をおとしめ、どんどん弱くしたことで、最終的にユーロは破壊されるだろう」と述べた。「それまでの当座、ユーロをロング(買い持ち)にする」と続けた。

  ロジャーズ氏は今週ユーロを購入したほか、さらに買い増すこともあり得ると語った。センチメントが極端にネガティブになっているためと説明。また、ユーロが姿を消すのは10-15年後のことだとも指摘し、「参入して売りの相手方を務めるべきときだ。ユーロは売りたたかれ過ぎた」と述べた。

<ソロス氏>独財政再建策「通貨同盟脅かす」 独週刊紙で

6月24日20時50分配信 毎日新聞

 【ベルリン小谷守彦】ドイツの週刊紙ツァイト電子版は23日、米国の著名投機家、ジョージ・ソロス氏がドイツ政府の財政再建策を「(欧州の)通貨同盟を脅かすものだ」と批判するインタビュー記事を掲載した。ソロス氏は、欧州危機に伴うユーロ売りの当事者ともみられており、挑発的な発言が市場に影響を及ぼす可能性もある。

 独政府は6月7日、11年から4年間で歳出を816億ユーロ(約9兆円)削減すると発表した。ソロス氏はこの財政再建策が実施されれば、周辺国はデフレに陥り、「ユーロ崩壊も排除できない」と指摘。さらに「欧州で起きているのは通貨や国家財政の危機ではなく、銀行の危機。銀行が弱体化し、財政危機に陥った国の国債を買えなくなったことが本質的な問題だ」との見方を示した。

 ソロス氏は、ナチスドイツの支配下で幼少期を過ごしたハンガリー出身のユダヤ系米国人。ユーロ不安を受け、欧州危機をきっかけにナチズムの再来や外国人排斥運動が起きれば「民主主義は脅かされるだろう」と警告した。

セガサミ里見氏4.35億円、三菱商小島氏2.49億円-報酬一覧

6月24日(ブルームバーグ):セガサミーホールディングスの里見治会長兼社長の前期(2010年3月期)報酬が4億3500万円だったことが同社が24日開示した有価証券報告書で分かった。現時点では日本人役員で最高額になる。三菱商事の小島順彦社長の報酬は2億4900万円だった。今春の内閣府令改正で日本企業は報酬総額1億円以上の役員名の有報記載が義務化された。



【日本企業の前期個別報酬額一覧】(単位:億円、最高額の大きい順)
企業名 役員名 総額(報酬+賞与+ストックオプション+他)
日産自動車(前期株価騰落率129%上昇)
・ゴーンCEO 8.91
・タバレス副社長 1.98
・ドッジ副社長 1.76 (29日の有報で内訳を開示)
・志賀俊之COO 1.34
・西川廣人副社長 1.05
・山下光彦副社長 1.02
ソニー(同79%上昇)
・ストリンガーCEO 8.17 (3.10+0.00+4.07+1.00)
・中鉢良治副会長 2.15 (0.80+0.00+0.65+0.70)
・大根田伸行副社長 1.64 (0.50+0.00+0.24+0.90)
セガサミーHD(31%上昇)
・里見治会長兼社長 4.35 (2.25+2.10+0.00+0.00)
・中山圭史副社長 1.55 (0.73+0.82+0.00+0.00)
・小口久雄CCO 1.08 (0.51+0.57+0.00+0.00)
神戸製鋼所(60%上昇)
・水越浩士会長 2.73 (0.14+0.00+0.00+2.59)
ミスミグループ(62%上昇)
・三枝匡会長 2.63 (1.20+0.82+0.37+0.24)
・高家正行社長 1.21 (0.55+0.38+0.17+0.11)
三菱商事(91%上昇)
・小島順彦社長 2.49 (1.12+0.27+0.86+0.24)
・佐々木幹夫会長 2.30 (1.06+0.14+0.86+0.24)
・上野征夫副社長 1.60 (0.86+0.16+0.46+0.12)
・井上彪副社長 1.60 (0.86+0.16+0.46+0.12)
・吉村尚憲副社長 1.60 (0.86+0.16+0.46+0.12)
アサガミ(11%下落)
・木村知躬会長 2.10 (1.86+0.00+0.00+0.23)
スクウェア・エニックス(10%上昇)
・和田洋一社長 2.04 (1.00+0.00+0.98+0.04)
三井物産(59%上昇)
・大橋信夫取締役 1.90 (0.26+0.00+0.00+1.64)
・飯島彰己社長 1.35 (1.09+0.26+0.00+0.00)
・槍田松瑩会長 1.32 (1.06+0.26+0.00+0.00)
住友商事(28%上昇)
・加藤進社長 1.86 (0.87+0.83+0.16+0.00)
・岡素之会長 1.83 (0.83+0.83+0.16+0.00)
・大森一夫副社長 1.28 (0.66+0.51+0.11+0.00)
アステラス製薬(12%上昇)
・野木森雅郁社長 1.80 (1.19+0.17+0.43+0.00)
・竹中登一会長 1.52 (1.00+0.14+0.36+0.00)
シンプレクス・テクノロジー(51%上昇)
・金子英樹社長 1.78 (0.80+0.93+0.05+0.00)
メガネトップ(38%下落)
・冨沢昌三会長 1.75 (1.29+0.15+0.00+0.30)
新日本製鉄(40%上昇)
・三村明夫会長 1.71 (1.71+0.00+0.00+0.00)
・宗岡正二社長 1.71 (1.71+0.00+0.00+0.00)
フィールズ(23%下落)
・山本英俊会長 1.69 (1.69+0.00+0.00+0.00)
ヤフー(32%上昇)
・井上雅博社長 1.59 (0.60+0.84+0.13+0.00)
HOYA(33%上昇)
・鈴木洋CEO 1.53 (0.69+0.00+0.18+0.66)
・浜田宏COO 1.15 (0.50+0.00+0.17+0.47)
・江間賢二CFO 1.01 (0.48+0.00+0.08+0.44)
新生銀行(14%上昇)
・クック専務 1.49 (0.54+0.00+0.00+0.95)
・グプタ専務 1.16 (1.03+0.00+0.03+0.10)
・デュイベディ専務 1.13 (0.90+0.00+0.23+0.00)
・ソン専務 1.10 (0.86+0.00+0.24+0.00)
JT(33%上昇)
・新貝康司取締役 1.42 (0.65+0.37+0.01+0.37)
資生堂(41%上昇)
・フィッシャー専務 1.41 (0.77+0.50+0.13+0.00)
・前田新造社長 1.21 (0.49+0.35+0.36+0.00)
・岩田喜美枝副社長 0.66 (0.37+0.18+0.10+0.00)
スルガ銀行(3.2%上昇)
・岡野光喜社長 1.41 (0.58+0.12+0.23+0.48)
・岡野喜之助副社長 1.10 (0.50+0.11+0.19+0.29)
エーザイ(16%上昇)
・コーツ執行役 1.40 (0.50+0.52+0.01+0.35)
・内藤晴夫社長 1.36 (0.79+0.23+0.07+0.27)
バンダイナムコホールディングス(7.3%下落)
・上野和典取締役 1.37 (0.75+0.61+0.00+0.00)
東祥(6.3%上昇)
・沓名俊裕社長 1.36 (1.11+0.00+0.00+0.25)
コロムビアME(43%上昇)
・ゼルニック会長 1.35 (0.20+0.03+0.01+1.10)
住友金属工業(44%上昇)
・下妻博会長 1.34 (1.34+0.00+0.00+0.00)
・友野宏社長 1.22 (1.22+0.00+0.00+0.00)
コロワイド(9.7%下落)
・蔵人金男会長兼社長 1.34 (1.34+0.00+0.00+0.00)
コマツ(83%上昇)
・野路國夫社長 1.29 (0.86+0.14+0.28+0.00)
・坂根正弘会長 1.20 (0.79+0.13+0.28+0.00)
ニッピ(45%上昇)
・伊藤隆男社長 1.29 (0.90+0.23+0.00+0.13)
みずほフィナンシャルグループ(1.6%下落)
・斎藤宏コーポ会長 1.23 (0.80+0.00+0.29+0.13)
・佐藤康博コーポ頭取 1.22 (0.84+0.00+0.30+0.08)
・塚本隆史社長 1.14 (0.84+0.00+0.30+0.00)
・西堀利銀行頭取 1.14 (0.84+0.00+0.30+0.00)
・前田晃伸会長 1.10 (0.80+0.00+0.29+0.00)
・杉山清次銀行会長 1.10 (0.80+0.00+0.29+0.00)
ステラケミファ(116%上昇)
・深田純子会長 1.21 (1.10+0.00+0.00+0.11)
ホンダ(43%上昇)
・伊東孝紳社長 1.15 (0.82+0.33+0.00+0.00)
オムロン(88%上昇)
・作田久男社長 1.07 (0.80+0.24+0.03+0.00)
・立石義雄会長 1.04 (0.89+0.12+0.03+0.00)
東芝(90%上昇)
・西田厚聡会長 1.07 (1.03+0.00+0.00+0.04)
タイヨーエレック(62%上昇)
・佐藤昭治会長 1.06 (0.64+0.21+0.00+0.21)
サンリオ(17%上昇)
・辻信太郎社長 1.05 (1..00+0.00+0.00+0.05)
東京エレクトロン(70%上昇)
・東哲郎会長 0.93 (0.57+0.00+0.36+0.00)
・竹中博司社長 0.56 (0.43+0.00+0.13+0.00)
(ブルームバーグ・ニュースが有価証券報告書などから集計、肩書きは
当時で退任役員を含む、他は業績連動報酬や退職金など)

ジム・ロジャーズ氏:経済は過剰債務・消費頼り、米はさらに紙幣印刷へ

6月24日(ブルームバーグ):著名投資家ジム・ロジャーズ氏は、世界は「さらなる経済問題」に直面するだろうとして、経済が「過剰な債務と過剰な消費」に依存しているためだと指摘した。

  同氏は香港から電話で、「株式をショート(売り持ち)、商品をロング(買い持ち)にしている」と語った。また、「米国は何よりも、過剰債務と過剰消費への解決策は、さらなる債務と消費だと考えている。従って、米国は今までよりさらに多くの紙幣を印刷していくだろう」と述べた。

エミレーツ航空の巨額投資、航空業界は騒然-勢力図塗り替えなるか

6月23日(ブルームバーグ):国際線運航で世界最大の航空会社、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国のエミレーツ航空の巨額の投資に、欧州とアジアの航空業界では動揺が生じている。アイルランドのライアンエア・ホールディングスや米サウスウエスト航空が市場シェアを拡大したように、長距離航空会社の勢力図を塗り替える可能性がある。

  設立25年のエミレーツは、エアバスの超大型旅客機「A380」90機で4万5000人分の座席数を築きつつある。エアバスによると、A380の運航コストはボーイングの最新型747を12%下回るという。英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のウィリー・ウォルシュ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、エミレーツの拡大戦略は同様の長距離輸送サービスに特化している欧州の航空会社にとって脅威だと語った。

  エミレーツは今月、総額110億ドル(約9900億円)相当のA380型機32機を発注。同社のA380保有機数は他社を70機以上引き離し、コストに敏感な旅客をドバイから世界各地に大量に送り込むことが可能となる。ドイツのルフトハンザ航空や仏蘭系エールフランス‐KLMグループ、シンガポール航空などには試練となる。これらの競合航空は、政府保有のエミレーツは有利であり、購買力でこれに太刀打ちできないと批判している。

  ルフトハンザのウォルフガング・メイルーバーCEOは、「エミレーツの座席数がすでにエールフランスとBAの合計を上回っているのは奇跡だ」と述べ、「世界有数の経済国に拠点を置く当社が747型機30機を運航するのに40年かかかった」と続けた。

  エミレーツは、2000年の国際航空会社ランキングでは24位で、その1年後に破たんしたベルギー国営のサベナと並んでいた。国際航空運送協会(IATA)によると、エミレーツはこれ以降に旅客輸送能力(座席数に輸送距離を掛けて算出)を6倍に増やし、昨年はルフトハンザを抜いてトップとなった。2000年にトップだったBAは同期間に旅客輸送能力が5%減少、昨年は4位に落ち込んだ。

ユーロには構造的な問題がある=米投資家ソロス氏

[ベルリン 23日 ロイター] 米著名投資家ジョージ・ソロス氏は23日、ユーロには構造的な問題があり、ドイツの緊縮財政政策はユーロ圏に属する他の国の競争力回復を困難にしているとの認識を示した。
 ソロス氏は大学での講演原稿で、欧州連合(EU)のマーストリヒト条約が定めた通貨統合には政治的統合が伴っていないため、ユーロは創設当初から不完全な通貨であったとし、「明らかに構造上問題がある」との見方を示した。

 ドイツのEUに対する姿勢について「財政赤字を削減し、ユーロの購買力低下を補うための賃金引き上げを抑制することで、ドイツは他の国の競争力回復を一段と難しくしている」と批判した。

 欧州にまず現在の問題から脱却し、その後ユーロの構造的改修と強化に取り組むよう促すとともに、ドイツのリーダーシップなしに実現することはできないと指摘した。

 ユーロ圏の危機には財政問題と銀行セクターの問題という側面があるとし、後者は今、ピークに達しつつあるとの認識を示した。

ソロス氏:ECBは量的緩和実施を-緊縮財政の影響緩和する必要

6月23日(ブルームバーグ):資産家のジョージ・ソロス氏は、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏諸国の財政緊縮策の影響を緩和するため、量的緩和を実施すべきだとの見解を示した。

  ソロス氏は23日にベルリンで記者団に対し、ECBは「財政が脆弱(ぜいじゃく)な国の債券を買い入れによって下支えしているが、必要とされる財政緊縮策の影響を緩和するための量的緩和が必要だ」と指摘。ただ、量的緩和は資産バブルを招くため「非常に危険だ」とした上で、「緊急事態における極めて一時的な利用」に限るべきだと述べ、「今は緊急事態だ」と付け加えた。

ソロス氏:欧州は銀行危機の様相-時価評価先送り、「浄化」終わらず

6月23日(ブルームバーグ):富豪で投資家のジョージ・ソロス氏は、金融危機後の欧州の銀行について、「浄化」がきちんと終わっていないとの見方を明らかにした。これらの銀行が保有資産の時価評価を完了していないことを理由に挙げた。

  ソロス氏(79)は23日ベルリンでの講演し、「現在の危機は、財政危機というよりも銀行危機だ」と指摘。「不良資産は時価評価されないまま満期まで保有されている。市場がソブリン債の信用度を疑い始めた時、問題になったのは金融システムの支払い能力だ。金融機関が高債務国の債券を大量に抱え、こうした債券が現在額面を下回る価格で売られているためだ」と述べた。

  同氏はまた、銀行間融資とコマーシャル・ペーパー(CP)市場で資金の出し手がいなくなり、金融機関が短期資金の調達に苦しんでいるとした上で、金融機関は欧州中央銀行(ECB)に資金調達を依存する一方、余剰資金についても中銀預入制度を利用してECBに預け入れている状況だと説明した。

【バロンズ】プラチナ相場が上昇する理由

6月24日7時57分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル

 プラチナ相場は5月、他の金融相場と歩調を合わせて急落した。世界経済の成長に対する期待が後退したことが理由だった。

 1月のプラチナETF(上場投資信託)の上場をめぐる高揚感や、世界的なリセッションの終えんと製造業需要の回復期待を背景に、投資家は今年初めにプラチナ相場を押し上げた。しかし、欧州のソブリン債危機や経済成長の鈍化、コモディティー需要の後退を受け、投機筋はプラチナを売却した。

 プラチナは5月に付けた安値から緩やかに回復したが、依然として高値を9.8%下回る水準で推移している。短期的な見通しは、良く言って不安定だ。しかし中長期的、つまり年末から2011年にかけて、輝きを一部取り戻すのはほぼ確実だ。

 ニューエッジの貴金属世界責任者、マイク・フローリー氏は、世界経済が落ち着くまで、プラチナ相場はレンジ取引となる可能性が高い、と述べた。同氏は「短期的には右下がりのレンジで推移する可能性がある。ただ、中長期的にはプラチナは好ましいとみる」と述べた。

 フローリー氏によると、自動車の需要は増えている。重要なことだ。プラチナはラッパーが好む装身具であるばかりではない。最大の用途の1つは、自動車排ガス浄化用の触媒だ。アジアと米国で自動車の販売が伸びるなか、プラチナの使用も増加する見通しだ。

 バークレイズ・キャピタルは、同様の理由でプラチナの中長期的な動向にポジティブな見方をしており、鉱山からの供給はほどほどの増加にとどまる、とした。バークレイズはリサーチノートで、第3四半期と第4四半期の平均価格をそれぞれ1オンス当たり1610ドルと1710ドルとした。18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でプラチナ先物7月限は前週比3.9%高の1587ドルで引けた。

 市場の専門家は目先、「ETFSプラチナ・トラスト」の動向に注目している。このETFのスポンサー、ETFセキュリティーズは、当初478万株(残高47万8000オンス)、5月下旬にさらに644万株(残高64万4000オンス)を発行している。このETFは現物に裏づけされている。

 ETFセキュリティーズの製品・事業開発責任者Fred Jheon氏は、相場の下落にもかかわらず、ETFからのまとまった資金流出はないとし、相場が大きく下げても懸念はしていない、と述べた。同氏は「利益確定の売りがあるだろうが、これは参加者が安い価格で買い付けられることを意味している」と述べた。

 ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会も、相場に影響を及ぼす可能性がある。最大のプラチナ鉱山の擁する南アは電力サービスが不安定なことで有名だ。政府は試合に必要な電力が供給されることを保証している。これはつまり、鉱業などの産業から電力が引き剥がされることを意味している。鉱山が閉鎖されれば、価格は一時的に跳ね上がる。しかし、フローリー氏によれば、W杯の影響はこれまでのところ、出来高が時折減少する程度にとどまっている。

2010年6月20日日曜日

金相場上昇はさらなる高騰の序章か否か

2010年06月20日
1オンス1258.3ドル。金相場が連日最高値を更新する中で、投資家の間では「まだまだ騰がる」という見方がある一方で、「金バブルもそろそろだ」という見方も出ている。今後はどうなっていくのだろうか。

 米投資専門紙のバロンズに次のような金に関するコラムが先日紹介された。筆者はファースト・ミシガン銀行のチーフ・インベストメント・ストラテジストであるチャールズ・ウィギンズ氏。

 「投資家は流行を追うものであり、資金が集まるところに自分も投資しようとする。分別のある資金が投入されている場所は避けたがる。オーストリア学派の極めて重要な見解によれば、投資家は同時に誤りを犯すものであり、従って、全員一致は危険な兆候だ」

 その投資家全員一致という現象の過去の事例を次のように挙げた。

◆1950年代=電子技術から脱出することが肝心だった
◆1960年代=レストランチェーン
◆1970年代=優良株と債券
◆1980年代=エネルギーとバイオテクノロジー
◆1990年代=日本とインターネット
◆2000年代=不動産と住宅建設

 バブルとなり、そして泡はいつか弾けていく。それが2010年代は何になるのか。コモディティ? エネルギー? 金? ただ、こればかりは後世にならなければわからない。

 週刊誌やスポーツ新聞でも取り上げられるようになり、書店の店頭にも投資関連の本が並ぶようになれば、手じまいの時期。よくそう言われることが多い。現在、金投資も雑誌類、テレビCMなども多く見かける。

 ただし、世界的に国家財政への信頼が揺らいでいることも事実。個人投資家が安全資産の金に資金を移すのは仕方がないことかもしれない。また、機関投資家の間でも、ヘッジファンド界の帝王ジョン・ポールソン氏、ジョージ・ソロス氏はともに金鉱株、金ETFなどに多額の資金を投資しているという現状もある。

 1オンス1258.3ドルという先物価格が、フェアバリューなのかどうか。もしかすると、バロンズのコラムにあった「危険な全員一致」なのか。あるいは、さらなる高騰劇の序章にすぎないのか。個人投資家は、それを冷静に見極める必要がある(2010.6.20/ゆかしメディア)

PIMCOグロース氏:支出削減が成長抑制へ-バロンズ紙円卓会議

6月13日(ブルームバーグ):米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券投資信託を運用するビル・グロース氏は、企業や政府による支出削減で世界の経済成長が抑制されると投資家は予想すべきだと述べた。米経済紙バロンズ最新号(6月14日号)が伝えた。

グロース氏はバロンズ紙が「ラウンドテーブル(円卓会議)」と題して資産運用担当者らに対して行ったインタビューで、今年は株式と高利回り債、商業用不動産、その他のリスク資産が同様に4-5%程度のリターンとなろう」と述べ、「2けたのリターンを約束する輝かしい資産はない」との見方を示した。同氏は米国とドイツの「質の高い」ソブリン債を選好していると述べ、これらの債券はそこそこの価値があり、投資家は返済されることを確信していると指摘した。

ゴールドマン・サックス・グループのシニア投資ストラテジスト、アビー・コーエン氏は、米国で自動車業界や工業設備業界からの鉄鋼需要が見込まれるとしてUSスチール株が有望だと述べたほか、製薬大手ファイザーは開発中の新薬が十分に評価されていないと述べた。

著名投資家のマーク・ファーバー氏は、7-12月期(下期)の経済指標と企業収益が失望的内容となり、米国の市場は今年、前年比で緩やかな下落で終わると予想。米中経済の減速の可能性を背景にS&P500種株価指数は約950に下落する可能性があると述べたほか、中国の景気減速で工業用の商品需要の減少が見込まれるとして、オーストラリア・ドルのショート(売り持ち)を勧めた。

バフェット氏:米地方債に恐ろしい問題生じる-連邦政府支援に発展も

6月2日(ブルームバーグ):投資家ウォーレン・バフェット氏は、今後数年のうちに米国の地方債に「恐ろしい問題」が生じるとの見解を示した。同氏が率いる米投資・保険会社のバークシャー・ハサウェイは、地方債への投資を縮小している。

  バフェット氏(79)は2日、ニューヨークで開かれた金融危機調査委員会(FCIC)の公聴会で、「恐ろしい問題が起き、連邦政府による支援に発展するだろう」と発言。「私自身、地方債をどう評価してよいのか分からない。連邦政府が今後どう行動するかにかかっている」と述べた。

  バークシャーのポートフォリオでは、地方債投資は2008年末に47億ドル(約4300億円)を超えていたが、今年3月31日時点では39億ドル未満にまで減少した。昨年の年次報告書によると、同社は地方債関連のデリバティブ(金融派生商品)で最大160億ドルのリスクを抱えていた。

  バフェット氏は、地方債の保証をめぐるリスクについて以前から警告していた。昨年の年次報告書で同氏は、地方当局者は必要な増税を推し進めるよりも、保険会社が支払いを保証する債券をデフォルト(債務不履行)する誘惑に駆られる恐れがあると指摘。地方債の保証は、「今日では危険なビジネスのように見える」と述べた。

  建設プロジェクトやその他の事業予算を賄うため、地方政府は2兆8000億ドル規模の地方債市場に依存している。金融危機やリセッション(景気後退)の影響で税収が減り、年金基金では損失が発生して地方政府の財政を直撃。一部では職員の退職金積み立てが不足し、財政を一層苦しくさせる恐れがある。

ギリシャ国債が主要グローバル指数から相次ぎ除外、資金流出に懸念

[東京 15日 ロイター] ギリシャ国債が再びジャンク級に格下げされたことで、市場ではユーロ圏から一段の資本流出が起こる可能性を指摘する声が上がっている。
 今回の格下げで、世界の投資家が債券運用の基準とする主要なグローバル指数からギリシャ国債が除外される見通しとなったためだ。資本流出はすでに進行しており今後あらためて加速することはないとの見通しもあるが、実態の不透明さが市場の不安心理を助長している。

 4月のスタンダード&プアーズ(S&P)に続き、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが14日、ギリシャ国債の格付けを投機的(ジャンク)等級となる「Ba1」へ引き下げたことを受けて、バークレイズ・キャピタルは同日、同社が算出する「グローバル総合インデックス」など世界の金融・債券市場を対象とする複数の指数からギリシャ国債を除外する可能性があると顧客へ通知した。

 シティグループも同様に、世界の国債市場を対象とする指数「世界国債インデックス(WGBI)」からギリシャを削除する方針を決めた。両社ともに指数の調整は月末の状況を勘案して実施する。

 バークレイズやシティが算出するグローバルインデックスは、世界の機関投資家やファンドなど多くのグローバル投資家が、運用の基準とする「ベンチマーク」として利用。指数とファンドをほぼ同じ資産構成に作り上げて、同等のパフォーマンスを狙う「パッシブ運用」を行う年金基金など日本の投資家も多い。そのため、指数の構成からギリシャ国債が除外されると、指数を利用する投資家が追随していっせいにギリシャ国債から手を引き、資金の一部は多くの問題を抱えるユーロ圏からも流出しかねないとの見方が、市場では浮上している。

 複数の大手格付け会社がギリシャをジャンク等級へ格下げすれば、グローバルインデックスから除外される可能性があるとの話は、S&Pが格下げを行った4月頃から市場に出回り、多くの関係者が、指数を利用するファンドの運用総額などから、流出する可能性がある資産規模を割りだそうと試みた。一説には数兆円規模との試算もあるが、世界に広がる巨額マネーの実態は極めて不明確。「あるファンドは先を見越して早々と外したが、急速な価格下落に追いつけず、まだ投げ切れていない向きもある。パッシブ運用者には主要指数とのかい離を嫌い、あえて保有し続けている参加者もいる」(大手銀の顧客取引担当)と、対応もばらばらだ。

 実態の不確実さは、市場の疑心暗鬼につながりかねない。多くの参加者は、前日海外の取引でユーロ安が限られた点に着目して「ユーロの悪材料は相場にだいぶ織り込まれ、売りは峠を越えたようだ」(邦銀関係者)とするが、多額の資金を運用するグローバル投資家の動きが市場に与える影響は小さくない。「(資本移動を伴う)実弾売りがどれだけ残っているかがポイント。足元はユーロの切り返しが目立ってきたが、とても買いスタンスで攻める状況ではない」(大手銀のチーフ外為トレーダー)との声が上がっている。

 実際、日本の年金などから外債運用を請け負っている国内のある大手運用会社では、グローバルインデックスなどのベンチマークを上回る収益を狙う「アクティブ運用」では、今年3月までにギリシャ国債を売却。しかし、別の大手外資系運用会社のパッシブ運用では「ギリシャ国債はまだ売却していない。(指数から外れることが明確になったため)今月中に売ることになる」(運用担当者)としている。インデックスの調整は月末に行われるが、保有国債の売却は「先駆けて売った方がリターン向上に寄与すると判断すれば、指数のリバランスを待たずに売る」(同)方針だ。

白頭山4、5年以内に噴火も=日本に火山灰、韓国政府が対策

6月19日21時28分配信 時事通信

 【ソウル時事】韓国釜山大の尹成孝教授は、中国の火山学者が、同国と北朝鮮の国境上にある白頭山(中国名・長白山)が早ければ4、5年以内に噴火すると予測していることを明らかにした。韓国気象庁は対策に乗り出すことを決めた。19日付の韓国各紙が報じた。
 白頭山は約100年に1度噴火を繰り返しており、前回の噴火は1903年だった。2002年以降、地震の回数がそれまでの約10倍に増えているほか、頂上付近が少しずつ隆起し、カルデラ湖や付近の林から火山ガスが噴出し続けている。
 噴火した場合、火山灰が日本にも到達するとみられ、今年4月のアイスランドの火山噴火の際よりも甚大な航空便への影響が予想されるという。

ミャンマー、北と秘密協力 元高官「国交回復前にミサイル技術買う」

6月20日7時55分配信 産経新聞

 国際紙、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは19~20日付でミャンマー元政府高官の寄稿を掲載、同元高官は、ミャンマーと北朝鮮が国交回復(2007年)前の1990年代にすでに秘密の関係を結び、ミャンマーが北朝鮮からミサイル技術などの供与を受けていたと証言した。両国の秘密軍事協力の実態が明らかになった格好だ。(黒沢潤)

 この元高官は、ミャンマー国防省の情報機関幹部や在米大使館幹部だったアウン・リン・フトゥット氏。米国に05年、亡命した。

 ミャンマーと北朝鮮は1983年、北のテロで韓国の閣僚が爆殺されたラングーン事件を契機に国交を断絶した。だが、ミャンマーは92年、現・国家平和発展評議会議長のタン・シュエ氏が軍政トップの座に就くのに合わせ、北朝鮮と「秘密の関係」を結んだという。

 背景には、ミャンマーで数百人が犠牲となった88年の反政府騒乱後、外国企業との合弁による武器生産が中止に追い込まれ、米国やインドへの対抗措置として兵器が必要だった事情があるという。ミャンマー政府は核兵器も欲していた。

 北朝鮮はこの後、韓国ビジネスマンを装った要人らをミャンマーに派遣。フトゥット氏はヤンゴンの空港で、「特別な接待」を受ける要人を実際に見たという。北朝鮮はミサイル技術と引き換えに「ただちに」金を受け取ったが、それは、ミャンマーがタイに天然ガスを売って稼いだものだった。ミャンマー政府は現在に至るまで、ミサイルや化学兵器開発に従事しているとされる。

 ミャンマーと北朝鮮とのこうした関係は、日本や韓国にも秘密にされた。天然資源獲得を目指す日韓両国から、一層の投資を呼び込む思惑があったという。

 一方で、2003年秋、ミャンマーと北朝鮮との関係について調査を始めた米上院議員のスタッフが、駐米ミャンマー大使やフトゥット氏と面会するため、在米大使館を2度訪問したことがあった。しかし、タン・シュエ議長がフトゥット氏らに対し、「秘密関係」について米国にウソをつくよう指示。ウィン・アウン外相(当時)もパウエル米国務長官(同)に、疑惑を否定する書簡を送ったという。

 ただ、英政府は真相を把握しており、同外相を「ウソつき」呼ばわりしていたという。

人民元、対ドル連動を解除=中国人民銀―週明けから切り上げか

6月20日0時10分配信 時事通信

 【北京時事】中国人民銀行(中央銀行)は19日夜、声明を発表し、「人民元の為替制度改革を一歩進め、(相場変動の)柔軟性をさらに高める」との方針を明らかにした。詳細は示していないが、「市場需給に基づき、(複数通貨で構成する)通貨バスケットを参考に相場を調節する」と説明した。今回の発表は、ドルへのペッグ(連動)制度を解除する方針を示唆したものとみられ、週明け以降、対ドルでの人民元相場上昇が再開する可能性が高まった。
 中国は2005年7月に、通貨バスケットに連動する為替制度改革を実施。その後、人民元相場は対ドルで20%近く上昇した。しかし、金融危機が深刻化した08年夏以降は、人民元相場は1ドル=6.83元前後で再び固定されている。