2011年6月26日日曜日

銀相場の高騰、太陽光発電業界に「逆風」-化石燃料との競争力低下

6月23日(ブルームバーグ):銀相場の高騰により、太陽光発電業界の化石燃料に対する競争力が低下している。

  銀は太陽電池の電気伝導体として利用され、太陽光パネルメーカーは世界の銀供給の約11%を消費する。銀相場の年初来の平均は1オンス当たり35.30ドルと、昨年の20.24ドルから74%高騰している。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、太陽電池価格は今年に入って約27%下落している。パネル1個当たりに利用される銀の量が約20グラムを下回ればさらに低下する可能性がある。そうなれば、ドイツのソーラーワールドや中国のLDKソーラーなどの太陽光パネルメーカーが、在来型エネルギーと競合できる価格水準で納入できる日が遠くなる。

  中国を拠点とするカナディアン・ソーラーのショーン・クー最高経営責任者(CEO)はインタビューで「世界の銀相場は大幅に上昇しており、太陽電池には銀ペーストが接着材料として利用されている」と述べ、「銀価格の上昇は、太陽電池価格の引き下げを目指す当社の取り組みを困難なものにするだろう」との見方を示した。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの推計によれば、太陽光パネルの価格は6月に1ワット当たり1.49ドルと、1月時点の約1.80ドルから下落した。特に中国のメーカーによる増産と欧州で補助制度が縮小されたことが背景にある。

  バークレイズ・キャピタルは顧客向け文書で「一部の企業は銀消費を減らすための措置を講じているが、銀価格の上昇はなお逆風となりそうだ」と指摘した。

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