2011年6月26日日曜日

一部の米MMFから資金引き揚げる動き、ギリシャめぐる懸念で

 [ニューヨーク 24日 ロイター] ギリシャ債務問題への懸念を背景に、投資家の間で一部の米マネー・マーケット・ファンド(MMF)から資金を引き揚げる動きが出ている。ギリシャがデフォルト(債務不履行)した場合、これらのMMFによる欧州の銀行への投資が損失を被る恐れがあるとみられている。
 MMF情報会社クレーン・データによると、米MMFの資産残高は23日、米財務省証券のみに投資するファンドで52億ドル増加したのに対し、財務省証券以外に投資するファンドでは36億ドル減少した。

 アナリストによると、市場では財務省短期証券(Tビル)への需要が高まっており、Tビル利回りは今週、一時マイナスとなった。

 ただ、2007─09年の世界的な信用収縮時のような金融システムの緊張の兆しは現時点で確認されていない。

 RBCセキュリティーズの短期市場・先物戦略責任者ジム・リー氏は「市場は様子を伺っている。ギリシャの債務が再編される事態になれば、波及が始まる」との見方を示した。

 アナリストによると、運用担当者や企業の財務担当者は、欧州の銀行が発行したCPやその他の債券に投資している法人向けMMFから資金を引き揚げ、一部を米財務省証券のみに投資する比較的リスクの低いMMFや銀行預金にシフトしている。

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