2010年7月22日木曜日

ルービニ教授:世界経済、今年下期に一段の成長鈍化-AFR紙

7月21日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエ ル・ルービニ教授は景気刺激策の解除が進み、財政緊縮プログラムが定着するなか、世界経済は今年7-12月(下期)に一段と成長が鈍化するとの見通しを明らかにした。豪紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューに寄稿した。同教授は今回の金融危機を予測したことで知られる。

  同教授は米成長率が今年下期から来年にかけて1.5%に鈍化すると予想。この成長鈍化は「リセッション(景気後退)のように感じられるだろう」と指摘した。またユーロ圏の見通しは米国よりも「悪く」、年末までゼロ成長に近い可能性があると分析した。

5月ユーロ圏鉱工業受注は前月比+3.8%、予想上回る

7月22日18時48分配信 ロイター

 [ブリュッセル 22日 ロイター] 欧州連合(EU)統計局が22日に発表した5月のユーロ圏鉱工業受注は前月比3.8%増、前年比では22.7%増だった。ロイターがまとめた予想を上回った。

 前年比の伸び率は2000年5年以来、10年ぶりの大きさ。ロイターがまとめた予想は前月比が横ばい、前年比20.2%増だった。

 4月は前月比が0.6%増、前年比が21.9%増に下方修正された。従来の発表では、前月比が0.9%増、前年比が22.1%増。

 ユーロ圏はソブリン債問題を抱えるが、今回の統計を受け、ユーロ圏の経済成長率が第2・四半期に加速したとの見方が強まりそうだ。

 5月の鉱工業受注を国別にみると、ドイツは前月比0.2%減、前年比28.2%増。フランスは前月比0.6%減少した。イタリアとスペインは回復し、前月比でそれぞれ5.4%、3.9%増加した。

7月のユーロ圏総合PMI速報は56.7、予想に反し上昇

7月22日18時40分配信 ロイター

 [パリ/ベルリン/ロンドン 22日 ロイター] マークイットがまとめた7月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は56.7と、6月の56.0からの低下予想に反して上昇し、二番底懸念を一段と和らげる結果となった。

 7月のサービス部門PMI速報値は56.0と前月の55.5から上昇し、予想の55.0を上回った。製造業PMI速報値は56.5と、こちらも前月の55.6から上昇し、予想の55.2を上回った。

 マークイットは電話会議で、7月の指数上昇について、サッカーのワールドカップ開催に伴う一時的な伸びの可能性があると指摘した。

 7月の製造業PMIの新規受注指数は57.2と、6月の55.9から上昇した。市場環境が改善し、米国やアジア向けの売り上げが増えたことが背景。

 また、サービス部門PMIの雇用指数は51.7と、6月の50.8から上昇し、2008年4月以来の高水準となった。 

 ユーロ圏最大の経済国であるドイツでは、サービス部門PMIが大幅上昇し、約3年ぶりの高水準を記録。製造業PMIも前月から大きく上昇し、4月に記録した過去最高水準をさほど下回らない水準となった。

 フランスでは、サービス部門PMIは前月から若干上昇したが、製造業PMIは低下した。

 PMIは50.0を上回ると景況の改善を、下回ると景況の悪化を示す。

2010年7月20日火曜日

どこかの国がBISを通じて保有金塊380トンを売った

http://jessescrossroadscafe.blogspot.com/2010/07/imf-engaged-in-gold-swaps-to-about-380.html


BIS ゴールドスワップをめぐる憶測
http://www.ovalnext.co.jp/ikemizu/index.htm

2010年7月19日月曜日

アインシュタイン予言の「重力波」とらえろ 宇宙の「暗黒時代」に迫る

7月19日7時55分配信 産経新聞

 アインシュタインが存在を予言した謎の波動「重力波」をとらえる大規模計画が日本で動き出す。空間のわずかなゆがみを地底の望遠鏡でキャッチし、原始宇宙の神秘に迫る。物理学の歴史に残る大発見を目指して激しい国際競争が始まる。(長内洋介)

 ■神岡の地下に専用望遠鏡建設へ

 アインシュタインの一般相対性理論によると、重力は「時空のひずみ」を生む。トランポリンに重いボールを乗せると、重さで布が曲がるように、星の周りでは重力で空間がゆがみ、時間の進み方も遅くなる。

 星が回転運動をすると、空間のゆがみは「さざ波」のように周囲へ広がる。これが重力波だ。1916年の一般相対性理論で存在が予言されたが、直接の証拠はまだ見つかっていない。

 重力波は、重い中性子星やブラックホールが激しく動いたときに強く出る。約137億年前の宇宙誕生時にも、巨大なエネルギーに伴う重力波が放出されており、その名残をとらえれば、現在の天文学では不可能な原始宇宙の姿を探ることができるのだ。

 重力波の検出は近代物理学の土台となった相対論の検証に加え、新たな天文学を切り開く大きな意味を持っている。

 文部科学省は6月、東大宇宙線研究所が提唱した重力波望遠鏡「LCGT」の建設にゴーサインを出した。ニュートリノ観測で知られる岐阜県・旧神岡鉱山の地下にレーザー干渉計を設置し、2014年に初期観測が始まる。

 真空パイプを一辺が3キロのL字形に置き、2方向にレーザー光を同時発射し、鏡で反射して戻るまでの時間を継続的に測る。重力波が届くと空間がゆがみ、片方の距離が長くなるので、戻る時間にずれが生じる。これを光の干渉現象で検出する仕組みだ。

 検出するゆがみの量は、わずか100億分の1メートルの1億分の1。地球と太陽の距離が原子1個分だけ伸びたことが分かるほどの驚異的な性能だ。振動や温度変化が少ない地下に設置し、世界最高感度を実現する。

 ターゲットは地球から6億光年の範囲で、2つの中性子星が互いに高速回転するときに出る重力波。同研究所の黒田和明教授は「本格的な性能で観測すれば、1年に数回は確実に検出できる。疑いの余地はない」と発見に自信をみせる。

 重力波は、その存在を間接的に証明した米国研究者が1993年にノーベル物理学賞を受賞。直接検出に成功すれば受賞は確実視されており、関係者の間ではすでに候補者の名前が挙がっているほどだ。

 本格観測を見込む2016年は、相対論の発表から百年の節目。ライバルの米国と欧州も、このころ既存施設の感度を日本と同水準に引き上げる計画で、三つどもえの競争が始まる。黒田教授は「少なくとも他国と同時、あわよくば一番乗りを目指す」と意気込む。

 現在の天文学は、宇宙誕生から約30万年間の様子を見ることはできない。原始宇宙は素粒子だらけで、当時の光は粒子に邪魔されて真っすぐ進めず、地球まで届かないからだ。しかし、重力波はあらゆる物質を素通りしてくるので、「暗黒時代」の宇宙も映し出す。

 国立天文台の藤本真克教授によると、原始宇宙から来る重力波の強さを調べることで、宇宙が火の玉状態(ビッグバン)の直前に急膨張したとする「インフレーション理論」を検証できる可能性がある。急膨張が終了してビッグバンが起きた時期が正確に分かれば、宇宙論の大きな前進だ。

 一方、重力波が相対論の予言よりも弱かった場合は「革命」が起きる。空間は3次元ではなく、実は人間には見えないミクロの「余剰次元」が存在する初の証拠になるからだ。重力波の一部が余剰次元の空間にしみ出たと解釈でき、宇宙は最大11次元だとする「ブレーン(膜)宇宙理論」が現実味を帯びてくる。

 「そうなればノーベル賞がいくつあっても足りない大事件。予想もしない物理学や天文学が生まれるだろう」と藤本教授。人類の宇宙観は、重力波の発見で一変するかもしれない。