2009年5月22日金曜日

ロジャーズ氏「通貨危機」説、年末年始に株式急落の恐れ?

2009/05/21(木) 14:50
米投資家のジム・ロジャーズ氏は20日メディアのインタビューで、「各国の中央銀行の紙幣乱発により、次の金融危機が通貨危機という形で現れる可能性がある。現在戻しつつある株式市場も年内に再度底を打つ可能性がある」と予想した。中国経済網が21日付で伝えた。

 同氏は、米ニュース専門放送局CNBCのインタビューで「通貨危機説」を披露。同氏は「これまでの株式市場の戻しは、主に各国の中央銀行による、紙幣の大量発行に起因する。株式市場は再度底を打つ可能性がある」と述べ、「今年末、あるいは来年早々に急落する恐れもある」との予想を展開した。

  同氏はまた、「確かに通貨は現時点で、金融市場に存在するすべての資産の中でも安全な方だ。しかし長期的にみれば、通貨市場には大きな『落とし穴』がある。今は分からなくても、いずれ分かることだ。もし私の判断が正しければ、今後10―20年間で通貨は多くの問題に直面する」と言及し、紙幣の大量発行だけに頼った世界経済の復興、成長は難しいとの見解を示した。しかし、通貨危機への対応については「私はまだ現時点で(潜在的な通貨危機に対して)何の回避措置もとっていない。どのように対応すべきか現在検討中だ」と述べるにとどまり、これまでに公表した日本円の買い入れも、その後は進めていないことを明かした。

 一方同氏は、「世界経済が一旦危機から脱すれば、いち早く復活するのは、金融危機で投資抑制を受け、供給不足を招いた鉱物、石油、農産物などコモディティ分野になるだろう」と述べ、「私は農産物への投資に力を入れる。また、現在所有しているのは金だが、今後は銀も多く買うつもりだ」、「原油価格は現在、年4-6%の下落基調で、需要も落ち込んでいる。しかし長期的に見れば、新たな油田が発見される可能性も低く、いずれは高値に回復、維持するだろう」などと語り、商品投資への好感を示した。