2009年1月25日日曜日

バイロン・ウィーン 10サプライズ2009

1. 2009年下半期米国内経済の回復期待からSP500は1200ポイントまで上昇。
高格付けの社債、レバレッジローン、住宅ローンが牽引して、投資家の購買意欲低下、ヘッジファンド及び投資信託の解約といった状態が改善する。

2. 金相場は1オンス1200ドルまで上昇。ペーパーマネーに対する信頼低下から中東を中心にレア・メタルへの買いが集中。

3. 原油価格が再び1バレル80ドルに上昇する。
生産性低下とアジア圏需要の上昇から需要供給バランスが崩れる。他商品の価格も上昇傾向で、いくつかの商品は2008年の最安値の倍の値段まで上昇する。天然ガスは9ドル/mcfとなる。

4. 米国債の金利低下と財務省の大幅な借り入れによりドルの価値は急落する。
海外投資家は紙幣の印刷が永遠に止まらない様相を懸念し、ドル/円は75に、ドル/ユーロは1.65になる。

5. 米国10年債が4%にまで上昇。
下半期の経済状況が回復の兆しを見せ始め、弱いドル、マネーサプライの速い伸び、記録的な赤字を背景に、エコノミストや投資家意識はデフレからインフレ懸念にシフトする。

6. 中国の経済成長は7%を上回り株式市場は活性化する。
世界的不況下における中国政府の刺激政策と効果的な行動は各国首脳はの信頼を獲得する。
この強い経済成長を背景に、国内消費者の消費意欲は上昇する一方、貯蓄率は下降する。

7. 金融セクターからの税収の減少によりニューヨーク州が破産の危機に追い込まれ、その他の州や地方自治体に波及する。
連邦政府は資金援助に踏み切らざるを得なくなり大規模な資金投入が行われる。

8. 住宅価格は秋頃底値をつけ、2008年末の価格レベルから15%下げたあたりで落ち着く。
オバマ次期大統領の景気刺激策は効果を見せ、年末に向けて経済は序々に回復する。
第3・第4四半期のGDPの成長率はプラスとなる。

9. 国民の貯蓄率は多くのエコノミストが予想している3%にまでは回復しない。
倹約の精神はアメリカ文化から消滅したように思われる。雇用の不安定さとマイナス成長により年初は貯蓄率が増加するものの、年後半から経済成長がプラスになると消費が再び加速し、2009年のクリスマス商戦は今までに無いものとなる

10. イラク民主政権の脆弱性と、タリバン支配下のアフガニスタンに対する危機懸念から、オバマ次期大統領のイラクからの兵撤退の計画はスローダウンする。タカ派的スピーチの中で彼はテロの脅威に対して、戦略地域における兵力維持を表明する。


「いまの市場の合言葉は『富は失われた』だが、これからは『富はまた作られる』に変わるだろう」