2010年3月6日土曜日

ポールソンなどヘッジファンド、ギリシャ債売り予想で利益-FT紙

3月1日(ブルームバーグ):米ポールソンを含む3、4社のヘッジファンドが、欧州の銀行によるギリシャ債売りを予想することで大きな利益を上げた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)がヘッジファンド業界内の関係者の話を基に報じた。関係者の名前は明記していない。同紙によると、ポールソンは特定の投資についてコメントを控えた。

財務省:外為特会の借入限度枠5兆円引き上げへ-運用益増で

 3月5日(ブルームバーグ):財務省は外国為替市場での介入資金の原資となる外国為替資金特別会計の借入限度枠を現行の140兆円から5兆円引き上げ、145兆円に拡大する。内外金利差に伴う運用益の増加が主な要因で、2010年度予算案に盛り込んでいる。同省関係者がブルームバーグ・ニュースに明らかにした。

  外為特会では過去の円売り介入で取得した外貨資産の利子収入などの運用益を例年、3兆円程度確保しており、ほぼ同額の政府短期証券を発行して円資産に転換し、うち一部を積立金、残りを一般会計に繰り入れている。10年度予算案では、財源確保のための特例措置として2.5兆円全額を一般会計に繰り入れている。

  これまで円売り介入時に発行した政府短期証券に、運用益分の追加発行を加えた総額は08年度決算の段階で106.9兆円、09年度末には110.3兆円に上る見通し。これに将来の介入の可能性に備えて過去の年間最大の介入額約32兆円(03年度)を足して試算すると140兆円を超えるため、限度枠拡大に踏み切った。

  限度枠の引き上げは大規模介入を断続的に実施していた最中に編成された04年度予算で100兆円から140兆円へ大幅増額して以来だが、04年4月以降の介入実績はゼロ。財務省は今回の措置について、あくまでも外為特会の運用上の理由としている。

  同省が5日発表した外貨準備高は今年2月末現在で1兆510億7900万ドル(約93兆円)。保有資産とほぼ同額の負債が存在するという、外為特会の問題点を浮き彫りにしたともいえる。

  JPモルガン・チェース銀行の佐々木融チーフFXストラテジストはブルームバーグ・ニュースに対し、「今回の措置は全く介入と関係ない。会計上のテクニカルな話だろう。介入に対する可能性や、それに対する姿勢とかは全く関係がない」と指摘。

  さらに「規模が膨らみ、大きな為替リスクと金利リスクを抱えている外為特会をさらに積み上げることはしないだろう」とし、「介入の可能性は極めて低い」との見方を示した。

ロンドン金:ユーロ建て現物相場が過去最高値、837.35ユーロ

3月5日(ブルームバーグ):5日のロンドン金市場では、ユーロ建ての現物相場がロンドン時間午後2時51分現在、1オンス=837.35ユーロと、過去最高値を更新した。

ロシア、ルーブル廃しカザフ・ベラルーシとの共通通貨も-第1副首相

3月5日(ブルームバーグ):ロシアは通貨ルーブルを廃止し、旧ソ連のベラルーシ、カザフスタンとの共通通貨創設に動く可能性がある。シュワロフ第1副首相が5日、その可能性を排除しないと語った。3カ国は協力を拡大し、ドル依存低下を目指している。

  同第1副首相はモスクワでの会議で、「将来的にこれらの国との共通通貨同盟に移行する可能性を排除しない」と述べた。そのような地域連合は欧州連合(EU)をモデルにしたものになると説明した。新通貨に関する協議はまだ行われていないと付け加えた。

  今年1月1日にはロシアとベラルーシ、カザフスタンの間で関税同盟が発効。3カ国は2012年までに単一経済圏を創設することを計画している。シュワロフ第1副首相は、統一通貨創設は経済統合の「次の一歩として論理的なものだ」と述べた。

  ロシアは貿易での地域通貨の利用促進や外貨準備の多様化によって、ドルへの一極集中がもたらすリスクの軽減を図っている。

ギリシャ新発10年債、初日取引で上昇-調達成功で安心感

3月5日(ブルームバーグ):ギリシャが4日発行した50億ユーロ(約6070億円)相当の10年国債は、初日の取引で上昇した。多大な財政赤字を抱える同国が資本市場からの資金調達に成功したことで、安心感が広がった。

  INGグループの価格によると、新発10年債(表面利率6.25%)は額面1ユーロに対し約0.9950ユーロ、利回りは6.31%となっている。発行価格は0.9894ユーロだった。

  ドイツ10年債とのスプレッド(利回り格差)は3.15ポイント。これはギリシャの調達コストがドイツの2倍であることを意味する。1月28日には3.96ポイントまで拡大していた。

米ブラックロック、米国債を選好

【ニューヨーク】世界最大級の米資産運用会社のブラックロックは、依然として不透明な景気見通し、ソブリンリスクの高まり、インフレ圧力の低下などを踏まえ、このところ米国債投資を拡大している。

 ブラックロックの債券投資を統括するカーティス・アーレッジ最高投資責任者(CIO)は、ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じ、同社が、昨年アンダーウェイトであった米国債の投資スタンスをニュートラルに引き上げつつあると語った。

 ブラックロックは同時に、オーバーウェートであった社債や不動産担保証券などの保有を大幅に減らしている。これらの市場が昨年大きく反発したことがその理由だとアーレッジ氏は説明する。

 「リスク資産から安定資産へ資金が動いている」と同氏は述べ、10年以上の米国債は特に「魅力がある」と付け加えた。

 1988年、ローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)によって創設されたブラックロックは、英バークレー・グローバル・インベスターズを買収後、世界全体で3兆ドル(265兆円)以上の資産を運用している。バランスシートは米連邦準備銀行よりも膨らんだ。そのため世界の金融市場、特に債券分野では、圧倒的な影響力を持つ。

 消費者・企業ローン金利の指標となる10年米国債利回りは3日終盤で3.625%。2年物は0.812%。10年利回りは昨年6月以降、4%未満で推移している。

 同氏によると、今年2月の初旬に米政府が国債発行の規模を縮小する可能性を示唆して以来、個人投資家による国債の購入が殺到しているという。税収が増えれば国債発行高が減る可能性もあり、それが国債市場のさらなる活性化につながるとしている。

 また多くの政府が、支援を必要とする経済状況と、債務を削減する必要性の両立という難しい課題に直面しているとし、ギリシャ政府の財政緊縮策を例に挙げた。

 だがブラックロックのギリシャ国債の保有高は明らかにしなかった。

 ギリシャ政府は3日、48億ユーロ(約5800億円)規模の赤字削減策を発表した。同国の債務問題がユーロ圏全体に波及し、さらには世界経済の成長を阻害するのではとの懸念が高まるなか、大規模な赤字削減策を打ち出すことで、ドイツやフランスなどの主要EU(欧州連合)加盟国から支援を獲得する道を切り開いた。

 アーレッジ氏によると、ギリシャ救済には、公的支援だけではなく、大規模な資産運用会社など民間部門も加わる公算が高いという。そして民間の投資家から支援を得るために、ギリシャ政府は財政問題に対応するため「明確かつ信頼できるプラン」を提示する必要があると主張し、次のように語る。

 「問題は、それを確実に実行させるために誰がギリシャの背中を押すか、ということだ。ギリシャ問題の解決策には、同国が従う条件も含まなければない。ギリシャは自らの財政問題に取り組むための規律を定める必要がある」

 また債務がギリシャと同じ水準にあり、政治・経済不安を抱える英国に関しては、英国債ギルトと通貨ポンドの下落が著しいと指摘したものの、現時点では中立的な立場を取っていると述べた。

仏大統領:中国は人民元が及ぼす影響の「責任を引き受けるべきだ」

3月4日(ブルームバーグ):フランスのサルコジ大統領は現在の人民元相場は同国に不当な競争力をもたらしていると批判し、中国に人民元の変動相場制への移行を求めた。

フランス大統領府が発表した演説テキストによると、サルコジ大統領は「世界全体の輸出の10%を占める国が自国通貨を操作し、それが世界経済に与える影響を無視するのは、もはや認められない」とし、「中国は世界経済における新たな地位に伴う責任を引き受けなくてはならない」と述べた。

サルコジ大統領はこのコメントで、同国が議長を務める2011年の20カ国・地域(G20)会合で取り上げる議題を強調した格好だ。マルセイユ近郊で産業政策について演説した同大統領は、過大評価されているユーロが製造や雇用をユーロ圏外に押しやっているとの懸念を示した。

ブルームバーグのデータによると、ユーロは年初から約5%下落しているが、購買力平価に基づくと依然として17%過大評価されている。

サルコジ大統領は、「G20会合では本件を最重要課題として取り上げる」と表明した。

政府:為替介入に向けた借り入れの上限を引き上げへ-ロイター通信

3月4日(ブルームバーグ):日本は為替介入に向けた資金の借り入れの上限を6年ぶりに引き上げる計画だ。ロイター通信が報じた。

  同報道によると、2010年度一般会計予算案では、外国為替資金特別会計の借り入れ上限が5兆円引き上げられ145兆円となる。

  この上限引き上げは、今週衆院本会議で可決された同予算案に含まれている。ロイターによると、同予算案は10年度が始まる4月1日までに成立する見通し。これは円の上昇を抑制するためには介入も辞さないとする政府の姿勢を示唆しているもようという。

中国は世界の金融覇権を握った=国家の強力な統制が競争力の源泉―米議会公聴会

2010年3月、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカは、米インターメディアパートナー社のレオ・ヒンデリーCEOのコメントをそのウェブサイトに掲載した。同氏は中国企業の競争力の源泉は安価な労働力ではなく、政府の強力な支援にあると分析している。

米議会の公聴会に出席したヒンデリーCEOは、世界的な金融危機は中国にとって得難い発展のチャンスになっていると言明した。米企業は米国でリストラし、生産拠点を中国に移行している。こうした競争力の源泉となっているのは、もはや安価な労働力ではない。インフラ整備、銀行融資、輸出補助金から為替操作にいたるまで、中国政府が企業に与える全面的な支援が主要な要因だという。

現在、中国の外貨準備は2兆5000億ドル(約222兆円)。しかし、中国の外貨準備、金融機関、国家ファンドはすべて強力な政府の統制を受けており、それらの力を自在に協調させることが可能。それを考えれば、中国はすでに金融界での実質的な覇権を確立していると分析している。

2010年3月4日木曜日

中国CIC:今年の海外投資戦略、より柔軟に-市場の傾向まだ不明

3月4日(ブルームバーグ):中国の政府系ファンド(SWF)、中国投資(CIC)の汪建熙(ジェシー・ワン)上級副社長は4日、世界の市場はまだ明確な傾向を示していないため、今年の海外投資戦略はより柔軟なものになると述べた。CICの運用資産規模は3000億ドル(約27兆円)。

  汪氏はまた、昨年は資金の大半を海外投資に充てたとし、CICの現金保有高は「相対的に少ない」と説明した。北京で開催されている中国人民政治協商会議の会場の外で記者団に語った。

  汪氏は投資環境について、「今年の全般的な状況は比較的厳しい」との認識を示した。

  また09年1-9月には資源価格と世界の資本市場が継続的に上昇し、CICの戦略に明確な示唆を与えたと発言。昨年の商品価格の伸びは「相対的に大きく」、世界経済の回復ペースを上回ったと述べた。

  汪氏はこのほか、詳細は示さなかったものの、CICの運用への影響を測る上で、世界の為替変動は「警戒に値する」との認識を示した。

IMFのインフレ目標引き上げ案、独・スイス中銀総裁が批判-WSJ

3月4日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏が各国中央銀行にインフレ目標の4%への引き上げを提案したことについて、ドイツ連邦銀行(中銀)のウェーバー総裁とスイス国立銀行(SNB、中銀)のヒルデブラント総裁は「重大な欠陥がある」と批判した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

  両総裁は同紙ウェブサイトに掲載された論文で、「議論になっているインフレ目標は、名目インフレ率の上昇につながり、危機の際の金融政策の緩和余地を広げるものだとしている。この議論には重大な欠陥があり、軽率とは言わないまでもタイミングが極めて悪い」と主張した。

  両総裁はまた、インフレ目標の引き上げは「マクロ経済への重い負担」を伴うと指摘。「中銀がインフレを通じて政府債務の評価切り下げに誘い込まれるサインのように誤解される」との見解を示した。

南アのアングロゴールド:海底での金の探鉱を計画-鉱山の埋蔵量減少

3月3日(ブルームバーグ):アフリカ最大の産金会社、南アフリカ共和国のアングロゴールド・アシャンティは、海底で金の探鉱を行う計画を明らかにした。鉱山各社は埋蔵量が少なくなっている鉱山の代替地探しを急いでいる。

  アングロゴールドのマーク・キュティファニ最高経営責任者(CEO)は2日、米フロリダ州で開催された鉱業関連会議でインタビューに応じ、同社がダイヤモンド生産会社のデビアスと海洋探鉱会社を設立し、向こう3-5年間に海底探鉱に4000万ドル(約35億4000万円)を投資する予定であると述べた。この共同企業はニュージーランド沖で事業を開始し、南米やカナダの沖合でも操業する可能性がある。

  金相場が9年間で4倍以上に上昇するなか、産金各社は埋蔵量の拡大を目指している。この会議に出席したアナリストや企業幹部らによると、米国やメキシコ、オーストラリアなど従来の採掘地域では高純度の金鉱石が減少しており、鉱山各社は物理的、政治的により困難な地域での探鉱を余儀なくされている。

  ゴールド・アロー・キャピタル・マネジメントのパートナー、ヘイスベルト・フルーネウェーゲン氏はインタビューで、「新規の鉱床発見は減少しており、埋蔵量の代替比率は低下している」と指摘。「そのため、これらの産金会社はたとえ沖合であっても、探鉱がより困難な地域で操業する必要がある」との見方を示した。

中国景気は4-6月に減速も、不動産業界「不健全」-富豪の宗慶後氏

3月3日(ブルームバーグ):中国の資産家、杭州娃哈哈集団の宗慶後会長は、中国の経済成長が今年4-6月期に減速するとの見通しを示した。住宅価格が下落する可能性を指摘した。

  同会長は3日のインタビューで、中国の不動産価格の上昇は「バブルと呼ぶほどに過激ではない」ものの、不動産業界は「健全な状態ではない」と語った。同業界は中国で最も重要な産業になったと付け加えた。

  宗会長は、中国政府は価格下落を望んでいることを示唆しており、恐らくこれが不動産市場の勢いを抑えるだろうとの見方を示した。

50ドル札の肖像をレーガン大統領に、米下院議員が法案提出へ

3月4日18時51分配信 CNN.co.jp

(CNN) 50米ドル札に描かれている肖像画は現在、ユリシーズ・S・グラント第18代大統領だが、これをロナルド・レーガン第40代大統領へ変更するため、米ノースカロライナ州のパトリック・マックヘンリー下院議員(共和党)が法案を提出する意向を表明した。

変更時期は、故レーガン大統領の生誕100年を迎える来年2月としている。

マックヘンリー議員は、レーガン大統領が近代の政治家であり、米国を政治的にも経済的にも大きく転換させたと業績を評価。また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが2005年に実施した歴代米大統領のランク付けで、レーガン大統領が6位と高位だったがグラント大統領は29位の低位だったことを指摘している。

同議員は、21世紀になって10年がたった今、大統領時代の業績やその後の評価を見てもレーガン大統領がグラント大統領を上回っているとして、20世紀の偉大な大統領としてレーガン大統領をルーズベルト大統領やケネディ大統領と並べて称えるべきだと主張している。

現在の米国通貨では、ルーズベルト大統領は10セント硬貨に、ケネディ大統領は50セント硬貨に、それぞれ肖像画が刻まれている。

レーガン大統領はこれまでにも、通貨の肖像画の候補に挙がったことがある。2004年にはルーズベルト大統領に代えて10セント硬貨に肖像画を載せる法案を共和党の下院議員が提出したが、ナンシー夫人がこれに反対したため、取り下げられていた。

2010年3月3日水曜日

チリ大地震で地軸が移動、1日の長さ短縮か-NASA科学者が分析

3月1日(ブルームバーグ):チリで2月27日に発生した大地震の影響で地軸が移動し、1日の長さが恐らく短くなったと、米航空宇宙局(NASA)の科学者は分析している。チリ大地震による死者は700人以上に上った。

  地震の影響により、数百キロメートルにわたる岩盤が数メートル移動し、地球上の質量分布が変化する場合がある。コンピューターモデルを使って地震の影響を計測しているNASAのジェット推進研究所(カリフォルニア州)の地球物理学者、リチャード・グロス氏によると、これが地球の自転に影響を及ぼす。

  グロス氏は1日、ブルームバーグ・ニュースの質問に電子メールで回答し、「1日の長さが1.26マイクロ秒(100万分の1.26秒)短縮したはずだ」と指摘。「地球の質量のバランスを取っている地軸は2.7ミリ秒角(約8センチメートル)移動したはずである」としている。

  グロス氏によると、これらの変化はモデルでは計測可能だが、規模が小さいため物理学的に検出するのは困難。英リバプール大学のアンドレアス・リートブロック教授(地球科学)は、一部の変化はより明白で複数の島が移動した可能性があるとの見方を示した。同教授は地震の影響を受けた地域を以前に調査したことがある。

  リートブロック教授は1日の電話インタビューで、チリ第2の都市であるコンセプシオンの沖合にあるサンタマリア島が、今回の地震の結果、2メートル隆起した可能性があると述べた。同教授によると、この島の岩盤は、過去の地震の影響で島が押し上げられたことを証拠付けているとしている。

PIMCOグロス氏:アブダビなどのCDSでプロテクション売り手に

3月2日(ブルームバーグ):債券ファンド運用最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロス共同最高投資責任者(CIO)は、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国とブラジルの国債を対象にしたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約で、信用リスクを負担する側であるプロテクションの売り手となり、昨年10-12月期に外国政府債への賭けを拡大した。

  PIMCOが2月26日に米証券取引委員会(SEC)に提出したポートフォリオ報告書によると、グロス氏が運用する世界最大の投資信託「PIMCOトータル・リターン・ファンド」(運用資産約2100億ドル=約18兆6000億円)は12月末時点で、額面5500万ドルのアブダビ債を対象としたCDS(2014年12月償還)でプロテクションの売り手となっている。

  また12月末時点でブラジル国債約4億7200万ドルを対象にしたCDSでもプロテクションの売り手となっていた。9月末時点では2億1200万ドルだった。

中国の隠れ債務、12年危機へのリスク-ノースウエスタン大学シー教授

3月3日(ブルームバーグ):地方政府の隠れた借り入れにより中国の債務残高が来年、対国内総生産(GDP)比で96%に達する可能性があり、同国で金融危機が起きるリスクが増大する。米ノースウエスタン大学のビクター・シー教授がこうした見方を示した。

米イリノイ州のノースウエスタン大学のシー教授(政治経済学)は数カ月かけて、中国の約8000の地方政府機関による借り入れ状況を調査。中国に関する著作のある同教授は1日の電話インタビューで、「最悪のケースは、2012年ごろの非常に大規模な金融危機だ」と指摘。景気「減速は少なくとも2年間、あるいはそれ以上続くだろう」と述べた。

シー教授の懸念の主因は急増する地方政府機関による借り入れで、これは中国の対GDP債務比率についての公式統計に含まれていない。米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は2月23日、中国の債務で膨らんだバブルが今後10年以内に域内でリセッション(景気後退)を引き起こすだろうとの予想を明らかにした。ヘッジファンド、キニコス・アソシエーツの創業者ジム・チャノス氏も、過剰な不動産投資の後、同国経済が落ち込む恐れがあると警告している。

シー教授の試算によると、中国の債務残高は2011年に39兆8380億元(約517兆円)に達する見通し。一方、国際通貨基金(IMF)は中国の今年の対GDP債務比率を22%と予想している。この数字には地方政府の負債は含まれていない。IMFはスペインと米国、ギリシャ、日本の同比率はそれぞれ、69.6%、94%、115%、227%とみている。

不良債権化の波

中国の2009年の新規融資は過去最高の9兆5900億元に達した。シー教授の懸念の1つは、地方政府が設立した投資会社への融資で直接借り入れへの規制を迂回し、そうした会社による借り入れが最大3兆元規模の不良債権化につながることだ。

事情に詳しい関係者が1月に語ったところによると、中国の銀行規制当局は市中銀行に対し、地方政府の資金団体への融資の返済を確かなものとするため6月末までに融資内容を見直すことを命じている。シー教授の推計では、地方政府機関の09年末の債務残高は11兆4290億元となっている。

シー教授は、地方政府の借り入れ引き締めはプロジェクト資金を断ち、不良債権の「巨大な波」を誘発する恐れがある一方、融資抑制を行わなければ2012年までに15%超のインフレを招く公算があると指摘。いずれの場合も銀行への取り付けと金融システムへの信頼喪失による危機を引き起こす可能性があると述べた。

2010年3月2日火曜日

米景気回復は一様でない、医療保険費は大きな問題=バフェット氏

[ニューヨーク 1日 ロイター] 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は1日、米経済について、最悪期を脱したものの消費者が支出を抑制するなか、回復は一様ではないとの見方を示した。
 バフェット氏はCNBCテレビで、米経済は最悪期を乗り切ったと指摘。

その一方で、消費者が支出に一段と慎重になっていることから多くの部門で事業活動は鈍く、同氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N: 株価, 企業情報, レポート) (BRKb.N: 株価, 企業情報, レポート)も例外ではないと語った。

 経済が回復しているものの、株式への投資妙味が増すことはないかもしれないとの見方を示した。「1年前と比べて株式の魅力度はかなり低下している」と話した。

 医療保険費について、手がつけられなくなっており経済を侵食する「非常事態」だと指摘。現在の法案よりも大幅にコストを制限する改革を導入するよう議会に求めた。

 鉄道会社バーリントン・ノーザン・サンタフェ買収を受けてバークシャーの信用格付けが2段階引き下げられたことについて、同氏は実質的に影響はないと述べた。

人民元、大幅に過小評価されている=IMFのG20向け文書

[ワシントン 1日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は、韓国で開かれる20カ国・地域(G20)財務相会合に向けた文書のなかで、ドルは依然として若干過大評価されており、中国人民元は大幅に過小評価されている、との見方を示した。文書は1日公開された
 IMFはまた、最近のユーロ下落は「ファンダメンタル価値」に向かっており、円は2008年終盤に大幅に下落した後、中期的なファンダメンタルズにおおむね沿っている、とした。

2010年3月1日月曜日

小沢氏、創価学会幹部と会談=参院選後の連携にらみか

民主党の小沢一郎幹事長が26日、公明党の支持母体である創価学会の幹部と都内で会談していたことが28日、関係者の話で分かった。民主、公明両党が接近し始めた中での小沢氏と学会幹部の会談だけに、夏の参院選後の連携を探る動きとして憶測を呼びそうだ。

 昨年8月の衆院選後、小沢氏と学会幹部の会談が明らかになったのは初めて。会談には、民主党の輿石東参院議員会長が同席した。 

[時事通信社]

米バークシャーの10-12月:利益急増-デリバティブ関連投資が奏功

2月27日(ブルームバーグ): 米著名投資家で資産家のウォーレン・バフェット氏率いる米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイの2009年10-12月(第4四半期)決算は、世界の株式市場に関連するデリバティブ(金融派生商品)投資が持ち直したことが奏功し、利益が急増した。

  27日発表の年次報告書によると、純利益は30億6000万ドル(1株当たり1969ドル)と、前年同期の1億1700万ドル(同76ドル)から大きく伸びた。

  3四半期連続となる今回の増益決算は、リセッション(景気後退)で痛手を受けた金融機関への投資を背景に、2007年以降減少していた手元資金を再び積み増すのに寄与した。ゴールドマン・サックス・グループなどバフェット氏に出資を求めた企業はバークシャーに10%以上の金利を支払っている。バークシャーの投資の動きは、昨年11月の米鉄道大手バーリントン・ノーザン・サンタフェ買収合意で最高潮に達した。

  バフェット氏は27日付の株主あて書簡で、「過去2年間の混乱の時期に多くの資金を投じた」とした上で、「投資家にとっては理想的な期間となっている。つまり恐れの風潮は投資家にとって一番の味方だ」と指摘した。

  09年通期の純利益は80億6000万ドルと、前年比61%増加。株価上昇などにより、純資産は1311億ドルと、9月末時点から4%増えた。08年末時点と比べると約20%膨らんでいる。

  第4四半期はデリバティブの利益が10億5000万ドルだった。前年同期はリーマンショックを受け46億1000万ドルのデリバティブ損失を出していた。

ギリシャ債務危機でユーロは「生き残れない可能性も」-ソロス氏

2月28日(ブルームバーグ):ユーロはギリシャの財務危機で「厳しい試練」を受けており、「生き残れない可能性もある」――。著名投資家ジョージ・ソロス氏は米CNNの番組でこうした見方を示した。

ソロス氏は欧州には「共通の中央銀行があるのに共通の財務省がない」ためユーロの通貨としての構造には「欠陥がある」と述べ、「為替レートは一定だ。一加盟国が困難に陥っても通貨は切り下げることが不可能だ」と指摘した。

ギリシャの債務問題のあおりでユーロは対ドルで2008年11月以来最長の下げを見せている。投資家の間ではスペインなどほかのユーロ圏諸国の財政赤字にも懸念が強まっている。

ソロス氏はギリシャが財政危機を乗り越えるだろうと予想した上で、「だがそれでもスペインなどほかの加盟国も」同様の困難に直面しており、「欧州が赤字の埋め合わせに必要な組織的な措置を今講じなければ、事実上、ユーロは生き残れない可能性がある」との見方を示した。

ルービニ教授:スペインは「厳しい時期」に備えを-エコノミスタに寄稿

2月27日(ブルームバーグ):米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は27日付のスペイン紙エコノミスタへの寄稿文で、スペインは膨らんでいる財政赤字を削減するため「厳しい時期」に備える必要があるとの見解を示した。

  ルービニ教授は「スペインは、ギリシャでもアイルランドもないことは真実だが、こうした経済的に重要な国が、ギリシャの債務水準に向かう財政赤字悪化を止められなければ、これらの国との違いは結果的に、単に学術的なものになるだろう」と述べた。

  同教授は、スペインは競争力回復に向け雇用市場や給与の硬直性に対処する改革を実施する必要があると指摘。リセッション(景気後退)からの脱却に向けたザパテロ首相の最初の財政支出計画は、「スペインの財政問題を悪化させた」とし、欧州の将来はリスクにさらされているとの見方を示した。

  教授は「スペインが失敗した場合、欧州経済通貨同盟(EMU)の将来と欧州連合(EU)の政治的信頼性に影響が及ぶだろう」と予測。「長期的には、ユーロからの脱退を余儀なくされる国が出てくる恐れがある」とした上で、こうした理由でスペインは「欧州の将来にとって正念場」になっていると説明した。

IMM通貨先物、ドルの買い越しが08年9月以来の高水準=CFTC

[ニューヨーク 26日 ロイター] 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(2月23日までの週)によると、ドルの買い越しが前週から増加し、2008年9月16日までの週以来の高水準となった。
 ドルの円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドルに対する買い越し額は127億7000万ドル。前週は96億9000万ドルだった。
 ユーロの売り越しは前週の5万9422枚から7万1623枚に増加して過去最高となった。
 ポンドの売り越しも前週から増加。スイスフランの売り越しは前週のほぼ倍となった。
 円の買い越しは1717枚と、前週の1万3912枚から大幅に減少した。
 一方、カナダドルとオーストラリアドルの買い越しは増加した。

2010年2月28日日曜日

12月末の米国債保有高は中国が8948億ドルで最大、日本は2位=米財務省

[ワシントン 26日 ロイター] 米財務省は26日、2009年12月末時点の中国の財務省証券保有高が8948億ドルに達し、同国が米国債の最大保有国だったと発表した。
 財務省が16日に発表した12月の海外投資家による対米証券投資では、中国の財務省証券保有高は前月の7896億ドルから7554億ドルに減少し、日本が最大保有国となっていた。

 同省は12月対米証券投資の内容について、海外取引などすべての取引を完全には反映していないと説明。今回発表した新データは金融機関(カストディアン)の報告に基づいており、米国以外の財務省証券保有高をより正確に示しているとした。

 最新のデータによると、日本の保有高は7657億ドルで第2位となる。

米国 核攻撃「六つの敵」…戦略軍計画、関連文書で判明

2月28日2時33分配信 毎日新聞
【ワシントン古本陽荘】米軍の核戦略を統括する戦略軍(STRATCOM、ネブラスカ州)の包括的な作戦計画「OPLAN8010」が、潜在的な核攻撃の対象として5カ国と非国家主体の計六つを記載していることが27日、分かった。計画の関連文書を入手した米科学者連盟(FAS)のハンス・クリステンセン氏が毎日新聞に明らかにした。

 OPLAN8010は、米軍による核攻撃の具体的な作戦を網羅。計画そのものは当面、秘密扱いとされている。クリステンセン氏は、一部が黒塗りされた説明資料の入手に成功した。

 この中で、「潜在的な六つの敵」について、任務の分析や見直しの進展状況などを説明する記載が見つかった。国名はマジックで黒塗りされていた。クリステンセン氏は文字の一部や文字数の推測に加え、軍当局者への聞き取りや過去の経緯なども考慮した結果、潜在的な攻撃対象は中国、イラン、北朝鮮、ロシア、シリアの5カ国と、「テロ組織が国家と共謀して大量破壊兵器による破壊的攻撃を仕掛ける場合」と分析した。

 また、OPLAN8010が攻撃目標として、「大量破壊兵器に関するインフラ」「軍や国家の指導層」などを想定していることも判明した。ただ、既に変更された可能性もあるという。

 オバマ大統領は、核兵器の役割を縮小すると表明済み。米政府は新しい核態勢見直し(NPR)の報告書を作成している。3月1日に発表予定だったが、意見集約に手間取り、発表は1カ月程度ずれ込む見通しだ。

 現行のOPLAN8010が化学兵器や生物兵器を含む大量破壊兵器を広く核攻撃の対象ととらえているのに対し、新たなNPRでは通常兵器に核兵器の役割を代替させる方向で検討が進んでいる。

 NPRがまとまってから新しい作戦計画が作成されるまでには、2~3年程度かかるのが通例。その間は、OPLAN8010が米軍の核攻撃作戦の基軸であり続ける。OPLAN8010は08年12月に作成され、オバマ大統領就任後の09年2月に改定されている。