2009年10月1日木曜日

黒田ADB総裁、世界金融危機の再発防止にアジア単一通貨創設を提案

[ソウル 30日 ロイター] アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は30日、世界的な金融危機の再発防止策の一環として、アジア単一通貨の創設を提案した。
 黒田総裁はソウルで開かれた世界金融危機対策に関する国際セミナーに出席し「アジアは、第3の国際通貨ともなる単一通貨を近い将来に創設することが可能だ」と述べた。

 同総裁は、世界的な経済危機により新興国は深刻なドル不足に見舞われ、その結果、多くの国がドル資金を獲得するにあたり困難に直面したと指摘。基軸通貨に付随するリスクを考えると、地域的なアプローチと世界的なアプローチの双方で流動性問題に対処することが、危機の再発防止に有効だと述べた。

 その上で、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)が実質的な国際通貨として利用されるようになるまでには何10年もかかると予測されるため、こうした国際的なアプローチより地域的なアプローチの方が現実的な対処法となるとの考えを示し、「複数の準備通貨システムを作ることが、より現実的なアプローチとなる」と述べた。


【バサラ男の独り言】
 アジア単一通貨への道は着々と作られています。否応なしに。

2009年9月29日火曜日

豪中銀:国内銀行システムは回復力を維持-金融安定報告

9月24日(ブルームバーグ):オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は24日公表した金融安定報告で、同国の金融機関について、住宅購入者向け融資からの利益拡大が不良債権増加の影響を緩和しており、世界的なリセッション(景気後退)を引き続きうまく切り抜けているとの認識を明らかにした。

RBAは半年ごとに発表している金融安定報告の中で、「豪州の金融システムは回復力を維持している」と指摘。「金融機関はごくわずかな採算悪化に見舞われている」にすぎず、さらなる世界的動揺を乗り切る上で、他国・地域の金融機関よりも良い状態にあると付け加えた。

報告書によれば、ウエストパック銀行やコモンウェルス銀行など国内4大銀行は1-6月期に純金利収入が22%増加したのに伴い、全体で86億豪ドルの税引き後利益を計上。RBAが政策金利を49年ぶり低水準に引き下げ、住宅購入者の融資需要が拡大したことも利益の伸びに寄与した。

RBAは「他の多くの国・地域の金融機関と比較して、豪州の金融システムは金融危機の時期を通じて堅調な利益を上げている」と指摘した。

マッコーリー・グループのシニアエコノミスト、ブライアン・レディカン氏(シドニー在勤)は「この半年間は明らかに政策担当者らの予想よりもはるかに力強い改善を示しており、それは銀行だけでなく、より広範な金融市場にも当てはまる」と説明した。

豪ドルはシドニー時間午後零時15分(日本時間午前11時15分)現在、1豪ドル=0.8705米ドル。報告書の公表前は0.8710米ドルだった。

ロバートソン氏:米国債、日中が購入やめれば米国はアルマゲドンに

9月24日(ブルームバーグ):米ヘッジファンド、タイガー・マネジメントのジュリアン・ロバートソン会長は、日本や中国が米国債を購入しなければ米国は「アルマゲドン(壊滅的状況)」に陥るだろうと述べた。

米経済専門局CNBCのインタビューに応じたロバートソン会長は、米国の借り入れはあまりにも膨大で返済など「到底できない」と指摘、デフレよりもインフレがより大きなリスクだとの見方を示した。

著名ストラテジストのウィーン氏、S&P500種急反発で評判も回復

9月29日(ブルームバーグ):1930年代以降で最も急激なS&P500種株価指数の反発がバイロン・ウィーン氏のストラテジストとしての評判回復につながっている。

米投資会社ブラックストーン・グループに先月迎えられたウィーン氏は、S&P500種の今年の上昇率見通しについて、今年1月に示した33%高の予想を維持すると述べた。これは28日終値を13%上回る水準。約半年前の時点では、ウィーン氏が示した年末予想の1200に到達するのには77%の値上がりが必要だった。

ヘッジファンドのピーコット・キャピタル・マネジメントのチーフ市場ストラテジストからブラックストーン・アドバイザリー・サービシズの副会長に転身したウィーン氏(76)は「3月には相場の地合いがあまり良くなかったため、人々はわたしの予想を受け入れようとしなかった」と述べ、「だが、年末まで残り3カ月となった現状では、見通しが実現する可能性が出てきているようだ。けん引役は企業収益と経済活動だ」と指摘した。

ウィーン氏の年末予想はブルームバーグが調査したストラテジストの予想平均の1037を上回るとともに、調査に参加したストラテジストで最も強気な予想だったJPモルガン・チェースのトーマス・リー氏の1100も超えている。

同氏は今年のS&P500種の上昇率が95年以来最高となり、10-12月(第4四半期)は過去10年で最大の値上がりになると予想。景気回復とアナリスト予想を上回る企業収益が今後3カ月の株式相場上昇に拍車を掛けるとみている。

企業収益と景気

企業収益に関してもウィーン氏はブルームバーグが調査対象とするウォール街のストラテジストよりも楽観的だ。同氏によると、S&P500種構成企業の今年の1株利益は計60ドル、10年は75ドルをそれぞれ超える見通し。ストラテジストの平均は09年が56.33ドル、10年は69.44ドル。

ウィーン氏は「株式相場の先行きは、これまでの収益の勢いが維持されるかどうかが鍵だ」と述べ、「景気は一段と強くなり、企業収益は7-9月(第3四半期)と第4四半期にいずれも予想を上回るだろう」と語った。

ブルームバーグ・データによると、S&P500種の株価収益率(PER)は今月22日現在の実績ベースで20.2倍と、04年以来の高水準。これについてウィーン氏は「ある程度は買われ過ぎだが、まだ上値はあると思う」とし、「投資家は3月時点で極めて悲観的だったと言うなら、現在はかなり楽観論が高まっているが極端なレベルではないと言えよう。年末前に10%の調整は起こらないだろう」と予想した。

M&A(企業の合併・買収)については「今後数カ月は堅調だと思う」と述べ、「投資家も企業も自信を持っている。魅力ある企業が魅力ある価格で評価されている。彼らはこうした企業の買収に意欲的だ」と指摘した。