2010年8月17日火曜日

ソロス・ファンドがペトロブラス株売却か、金投資は継続

[ボストン 16日 ロイター] 米著名投資家ジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントが16日、米証券取引委員会(SEC)に提出した保有株式に関する報告書で、同ファンドが第2・四半期に金連動型ETF(上場投資信託)への投資を継続した一方、ブラジルの国営石油会社ペトロブラス(PETR4.SA: 株価, 企業情報, レポート)(PBR.N: 株価, 企業情報, レポート)株を売却した可能性があることが分かった。
 それによると、金連動型ETFであるSPDRゴールドトラスト(GLD.P: 株価, 企業情報, レポート)の6月末時点の保有株式数は524万株(6億3800万ドル相当)。第1・四半期末の559万株からは減っているものの、ドル換算価値では最大の投資先となっている。

 一方、第1・四半期に最大の投資先だったペトロブラスの米国預託証券(ADR)については記載がない。3月末時点の保有株式数は約1500万株だった。

 ソロス氏が四半期ごとの持ち株の変動について説明することは通常なく、ソロス・ファンドのスポークスマンもコメントを拒否した。

 ファンドが特定の株の取引を活発に行っている場合、ファンドマネジャーは四半期報告への記載を見送ったり、機密扱いを求めたりすることができる。

 ソロス・ファンドのようなファンドマネジャーは、四半期終了後45日以内にフォーム13F報告書を当局に提出しなければならないが、報告義務があるのは米国に上場されている株式と関連のデリバティブ(金融派生商品)のみで、債券や他の証券類、ショートポジション(空売り残高)などは通常公表されない。

世界の産金会社のM&Aが過去最高-BMOやHSBCの助言料好調

8月3日(ブルームバーグ):世界の産金会社の買収が今年、金価格の上昇を追い風に過去最高のペースを記録しており、アドバイザーを務めるBMOキャピタル・マーケッツやHSBCバンク、メリルリンチなどの金融機関に入る手数料が増えている。

カナダの産金3位キンロス・ゴールドは2日、同業の加レッド・バック・マイニングを約71億米ドル(約6140億円)で買収することに合意した。ブルームバーグの集計データによると、これにより今年の産金業界の合併・買収(M&A)総額は320億ドルに達し、鉱業セクター全体の買収の38%を占めた。これは昨年の同業界の総額の2倍強。

メリルリンチのアジア太平洋金属・鉱業セクター向け投資銀行業務責任者のグレッグ・フォルニア氏は「今年になって動きが活発化しているように見えるのは、金価格が1オンス1200ドル前後で推移しているためだ」と述べ、「金相場が堅調で一段高となるとの見方を持つなら、ここで買収したりするのは理にかなう」と指摘した。

金価格は6月に過去最高の1266.50ドルに達し、10年連続の上昇となる勢いを見せている。10年連続高は少なくとも1920年以来で、ジョージ・ソロス氏やジョン・ポールソン氏ら著名ファンドマネジャーも金に注目している。ミダス・ファンドによると、金相場は一段高となって買収が相次ぐ可能性があり、ニュークレスト・マイニングやレゾリュート・マイニングなどが買収標的になる可能性があるという。

ブルームバーグ・データによると、モントリオール銀行傘下のBMOキャピタル・マーケッツが産金業界のM&A9件(計200億ドル相当)で助言役を務め、アドバイザー・ランキング首位。HSBCとメリルリンチがこれに続いている。

ヘッジファンドのポールソン、景気回復見込む投資縮小-関係者

8月5日(ブルームバーグ):2012年までに景気が回復すると見込む米ヘッジファンド会社ポールソン(運用資産320億ドル)のファンドマネジャーで資産家のジョン・ポールソン氏は、自身のファンド全般に強気な投資を縮小した。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

関係者がポールソンの顧客向け書簡を引用して語ったところによると、世界経済の急回復予想に賭ける「リカバリー・ファンド」(運用資産30億ドル)は、景気回復に伴い値上がりする公算の大きい証券の強気な投資をネットベースで資産の140%から107%に縮小。今年下落している複数の大型ファンドでも強気な投資を減らした。情報は非公開だとして関係者は匿名で話した。

景気回復への懸念を背景に世界の株式相場は4月半ば以降7%余り下落している。4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率2.4%増と、前四半期の3.7%増から減速した。

関係者によると、ポールソン氏(54)は世界景気の回復基調は依然として損なわれていないと考えており、今後2年は経営破たんとリストラ、事業再編を経験した企業の株式で利益を上げられると期待しているという。

ポールソンの広報担当のアーメル・レスリー氏はコメントを控えている。この書簡の内容は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。

同関係者によると、経営破たんや合併などの企業イベントに絡んで利益を狙う「アドバンテージ・ファンド」は7月の運用成績がプラス約1%。年初来ではマイナス4.8%となっているという。

ヘッジファンドのポールソン、ゴールドマン株110万株取得

8月16日(ブルームバーグ):資産家ジョン・ポールソン氏が経営するヘッジファンド会社ポールソンは、今年4-6月(第2四半期)に米ゴールドマン・サックス・グループの株式110万株を取得した。

同社が16日に米証券取引委員会(SEC)に提出した届出書によると、6月末時点で保有していたゴールドマン株の価値は1億4440万ドル(約123億円)。同社はまた、米石油会社エクソンモービルがエネルギー会社XTOエナジーを買収した後にエクソン株を購入した。6月末時点では917万株、5億2300万ドル相当を保有。6月28日に買収が完了したXTO株の保有は無くなった。

保有規模の大きい銘柄に変更はなかった。これらの6月末時点の保有は金連動型ETF(上場投資信託)の「SPDRゴールド・トラスト」が3150万株、バンク・オブ・アメリカ(BOA)株が1億6800万株、シティグループ株が5億670万株だった。

ソロス・ファンド:4-6月にJPモルガン株など売却-金融株安の中

8月16日(ブルームバーグ):資産家ジョージ・ソロス氏のヘッジファンド、ソロス・ファンド・マネジメントは4-6月(第2四半期)に、金融株が下落する中で、米銀JPモルガン・チェースとPNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、USバンコープの株式を売却した。

250億ドル(約2兆1300億円)を運用するソロス・ファンドは第2四半期中にJPモルガンの株式約240万株を売却。米証券取引委員会(SEC)への届出書で16日明らかにした。6月末時点では10万7500株、390万ドル相当を保有していた。

JPモルガンやシティグループなど金融サービス24社で構成されるKBW銀行指数は第2四半期に11%下落した。ソロス氏はUSバンコープ株の保有も3月末時点の203万株から2万2600株に減らした。

同氏はまた、ブラジルの国営石油会社、ブラジル石油公社(ペトロブラス)の全保有株を売却。3月末時点の保有株は2億3300万ドル相当と、最大保有銘柄の1つだった。ペトロブラスの株価は第2四半期に22%下落した。

ソロス氏の広報担当、マイケル・バション氏はコメントを控えた。

2010年8月16日月曜日

〔金利ウォッチャー〕フラット化の持続性を疑問視、秋口に超長期の振幅拡大観測

2010年 08月 16日 16:51 JST
円債市場でイールドカーブのブル・フラット化の持続性を疑問視する声があがっている。今回のブル・フラット化は米国の景気減速による金利低下が背景にあり、しばらくは現在のモメンタムが続くとみられているが、マーケット内で観測が強まっている日銀の追加金融緩和策が秋口にも具体化された後は、材料出尽くしから超長期セクターの金利の振れが激しくなるとの見方が出ている。
 
 日本におけるイールドカーブのブル・フラット化は、欧米の金利低下に日本の機関投資家が背中を押され、運用資金が長期/超長期ゾーンにあぶり出されている展開で、「ファンダメンタルズというよりは、国内金融情勢や需給バランスを反映した面が強い」(外資系証券)との指摘がある。とくに日本の超長期セクターは、銀行勢を中心にしたディーリングにより、金利が急低下してきた分、先行き金利の振幅が大きくなることを想定する市場参加者が多い。

 ビー・エヌ・ピー・パリバ証券東京支店・投資調査本部長の島本幸治氏は「日本のイールドカーブのブル・フラット化は、決して安定的なものではない」と話す。8月から9月にかけての円債相場を展望すると、米国で起こっている景気減速が鮮明となる中、日米ともに中央銀行の金融緩和催促相場という側面が強まると思われ、しばらくは今のモメンタムが続くとみられている。日銀に対しては、9月の金融政策決定会合へ向け内外の政治的なプレッシャーが高まることが想定でき、米国でも9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では量的緩和の本格化で、再度、国債買い入れ額を増やしてくる可能性がある。

 この日米の政策対応が具体化した後は、材料出尽くしなどから「超長期ゾーン中心に変動率(ボラティリティ)が高くなることが想定できる」(外資系証券)という。

 米債金利は全体的に下がり、10─30年債利回り格差が縮小する場面も出てきてはいるが、「米債でフラット化が起こっているかというと、超長期セクターのスプレッドは、むしろ開く方向にあり、手前のスプレッドがつぶれ、長いゾーンはスティープ化する傾向にある。円債のイールドカーブにも微妙な影響を9月以降、与えるのではないか」(外資系証券)との見方も出ている。
(東京 16日 ロイター)

ゴールドマン:原油、金、銅、亜鉛、プラチナのオーバーウエート維持

8月16日(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループは、原油、金、銅、亜鉛、プラチナの投資判断を「オーバーウエート」に維持した。新興市場国からの需要が増えている一方で、供給が限られているため。

  アリソン・ネーサン、ジェフリー・カリー氏率いるゴールドマンのアナリストはリポートで、商品の投資判断についてオーバーウエートを維持した。S&P GSCIエンハンスト・トータルリターン指数の今後1年間の上昇率見通しについては、農産物や金属が最近上昇したことを受け、21.6%から19%に引き下げた。

  ゴールドマンの13日付リポートは「現在の弱い経済指標と商品相場のまちまちな展開で、短期的には引き続き値動きが激しくなる可能性が高い」と予想した。


【東京バサラ】
 原油、金、銅、亜鉛、プラチナの利食い推奨。

中国:短期手形の支払い遅延、6月末は前期末比10.1%増-人民銀

8月16日(ブルームバーグ):中国の短期手形に伴うリスクが高まりつつある。中国人民銀行(中央銀行)が16日にウェブサイトに掲載した資料で明らかにした。

  それによると、短期手形の支払い遅延は4-6月(第2四半期)末時点で105億元(約1320億円)と、1-3月(第1四半期)末と比べて10.1%増加した。