2011年12月1日木曜日

金鉱株:「ばね仕掛け」のように上昇か-金相場高値でも割安で推移

11月30日(ブルームバーグ):産金業界の利益は今年、ほぼ倍増すると予想され、金相場も過去最高値近辺で推移している。それにもかかわらず、金鉱株は少なくとも9年ぶりの割安水準で取引されている。

  指標となるNYSE・Arca金鉱株BUGS指数の先週末時点の株価収益率は17倍と、少なくとも2002年11月以来の低水準となり、過去5年平均の37倍を下回った。同指数の構成銘柄には、カナダのバリック・ゴールドや米ニューモント・マイニング、南アフリカ共和国のアングロゴールド・アシャンティなどが含まれる。

  欧州の債務危機の影響で企業収益予想が悪化する中、投資家は株式全般の売りに動いており、アナリストによる金相場や金鉱株の見通しを無視している。ブルームバーグが集計したデータによると、同指数を構成する16社の1株当たり利益の合計は今年、94%増加するとみられている。

  CQSグループ傘下のニュー・シティー・インベストメント・マネジャーズ(ロンドン)のポートフォリオマネジャー、ジョン・ウォン氏は「歴史を振り返ると、今は買いの好機だと言えるだろう。ばね仕掛けのような状態だ」と指摘した。同氏は金と銀の採掘会社の株式を保有する運用資産2億ドル(約160億円)のファンド、ゴールデン・プロスペクト・プレシャス・メタルズの運用責任者を務めている。

  金鉱株は今年に入って5.6%下げ、年間ベースでは08年以来の下落となる可能性が高まっている。一方、金相場は9月6日に最高値の1オンス当たり1921.15ドルに達し、年間ベースでは11年連続の上昇となりそうだ。

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