2011年2月20日日曜日

モルガンS不動産ファンド、大型物件のローン返済困難との見方も=関係者

[東京 17日 ロイター] 複数の業界関係者によると、米モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)の不動産ファンドが保有する東京都内の大型物件2件のローンが夏までに返済期限を迎える。期限までに返済できない場合、物件を売却する権利が同ファンドからローンの貸し手に移る見通し。
 レバレッジを効かせて取得した物件だが、取得後に不動産価格は大幅に下落しており、ローン返済の行方に業界関係者は注目している。

 モルガン・スタンレーは08年までの世界の不動産ブームに乗り、大型物件を積極的に取得したことで知られるが、日本でもモルガン・スタンレー不動産ファンド(MSREF)を通じて複数の物件に投資した。

 そのうち42億ドル規模の「MSREF V」ファンドが04年に1400億円で購入した品川グランドセントラルタワーについては、ローンの返済期限が4月15日に迫っている。また、88億ドル規模の「MSREF VI」ファンドが08年に1180億円で取得した千代田区内幸町の新生銀行(8303.T: 株価, ニュース, レポート)旧本店ビルも7月にローンの返済期限を迎える。

 「MSREF V」ファンドは、品川グランドセントラルタワーの融資のリファイナンスを07年に実施しており、その際、モルガン・スタンレーが2780億円の商業用不動産ローン担保証券(CMBS)を組成した。

 現在の物件価値は融資額を大幅に下回っており、アナリストや業界関係者は、ローンの返済や借り換えは難しく、ビルの売却権はファンドがローンの貸し手に移譲するとの見方を強めている。米商業不動産のシービー・リチャードエリス(CBG.N: 株価, 企業情報, レポート)によると、どちらの物件も07年のピーク時に比べ、価格は6割程度まで下落している。

 業界関係者によると、プライベートエクイティのブラックストーン・グループ(BX.N: 株価, 企業情報, レポート)は品川グランドセントラルタワーに関わるローンの最劣後部分を保有しており、「MSREF V」ファンドが4月にローンを返済できなければ、返済期限後の7カ月間、物件を売却する権利を持つことになる。

 一方、ドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)は「MSREF VI」に対し、927億円のローンを提供しており、新生銀行旧本店ビルの貸し手となっている。ただ、727億円分をCMBSの形で他の投資家に既に売却している。

 「MSREF VI」ファンドは昨年、全日本空輸(9202.T: 株価, ニュース, レポート)から07年に取得した13のホテルのローンが満期を迎えた際、借り換えを実施し、現在も物件を継続保有している。



【東京バサラ】全日空ホテル買収でも大損したことが業界で有名なMS社がまたやっちゃいました。

【モルガン・スタンレー】ANAホテル買収資金のリファイナンスを完了
 2010年10月8日
 [東京 8日 ロイター] モルガン・スタンレー(MS.N)が運用する不動産ファンドが、2007年に全日本空輸(9202.T)からホテル資産を買収する際に借り入れた2250億円について、今月初めにリファイナンスを完了していたことが明らかになった。複数の関係筋がロイターに語った。借り換え交渉が難航しているとの見方があったが、リファイナンスが成立したことでモルガン・スタンレーはホテルの所有権を維持することが可能になった。
 モルガン・スタンレーはANAのホテルを買収した際、シティグループ(C.N)、新生銀行(8303.T)などの金融機関から合計2250億円の融資を受けたが、今年4月の返済期限を過ぎても返済が行われないままだった。支払いの延長期間中に新たなローンを組成し、その手続きが10月1日に完了したという。新規借り入れの期限は5年。貸し手側については、シティグループが抜け、代わりに新生銀行が主要な貸し手となっている。
 モルガン・スタンレーが運用するファンドは07年、ANAからホテル資産を約2800億円で買収。その後の金融危機などを背景とする不動産価格の下落を受け、購入した資産価値は大幅に下がったとみられ、借入金額より価値は低かったとの見方もある。

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