2010年1月9日土曜日

12月米雇用者:8.5万人減、建設業で悪化、派遣は増勢

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aHMa68fFi41M

1月8日(ブルームバーグ):米労働省が8日に発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比8万5000人減少した。11月は4000人増加と、速報値(1万1000人減)から約2年ぶりのプラスに修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値では前月比横ばいが見込まれていた。

  家計調査に基づく12月の失業率は10%と、前月と同率にとどまった。一方、平均失業期間は29.1週(前月28.6週)と、同項目の集計が開始された1948年以降で最長となった。

  事業所調査の雇用者数は、建設業が5万3000人減少し、マイナス幅は前月(2万7000人減)のほぼ2倍に拡大した。寒冷な気候が反映された可能性がある。

  製造業は2万7000人減(前月は3万5000人減)と、減少幅は07年12月以来の最小となった。自動車・同部品部門は4900人減少した。

  銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は4000人減少。前月は6万2000人増加だった。金融部門は4000人増加し、前月(6000人減)からプラスに転換。小売業は1万200人減少(前月は1万3500人減)した。

人材派遣は5カ月連続プラス

  人材派遣部門の雇用者は4万6500人増加し、5カ月連続のプラスとなった。人材派遣部門は、雇用者数全体の増加に先行する傾向がある。企業は需要回復の持続性を見極めるまで、まず非正規社員の雇用拡大で対応する。

  政府部門は2万1000人減と、前月の4000人増からマイナスに転じた。

不完全雇用率は17.3%に上昇

  経済悪化でパートタイム就労を余儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む不完全雇用率は17.3%に上昇(前月は17.2%)した。

12月の平均週労働時間は33.2時間と、前月から変わらず。平均週間給与は624ドル16セント(前月は623ドル16セント)に増加した。平均時間給は前年同月比2.2%増と、前月(2.3%増)に比べ伸びが鈍化した。

  大和証券アメリカのチーフエコノミスト、マイケル・モラン氏(ニューヨーク在勤)は、「企業側は引き続き新規採用に慎重だ」と指摘。「前月のプラス修正にはやや明るさもみえるが、労働市場は概して調整モードが続いている」と述べた。

  オバマ米大統領は12月8日、失業率の低下を目指した追加対策として、交通システムへの新規投資と中小企業の雇用促進に向けた減税、省エネ住宅建設の奨励策を提案した。

国勢調査という「景気刺激策」

  さらに、米国勢調査局は10年に一度の国勢調査実施に向け、今年上期に115万人の臨時職員を採用する計画だ。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミスト、ロリ・ヘルウィング氏によれば、こうした採用により、非農業部門の雇用者数は5月のピークにかけて70万人増加する可能性がある。ただ、6月には同職員の解雇が始まるとみられている。

  BNPパリバのシニアエコノミスト、ジュリア・コロナド氏は国勢調査に伴う雇用について、「米政府は労働者の大群を雇用することになる。ある意味で景気刺激措置と言えよう。しかも、タイミングは非常に良い」と述べた。

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