2008年12月25日木曜日

メリル著名アナリストのブランチ氏:原油予想、再び強気に方向転換

(転載)
米メリルリンチの世界商品調査担当責任者、フランシスコ・ブランチ氏(35)は原油が過去最高値の1バレル当たり147.27ドルに達するとほぼ正確に予想し、2009年には25ドルまで下落する可能性があるとの見方を示した。その後、相場は暴落した。同氏はいま、消費者に安堵(あんど)感を与えた原油相場の下落は、世界的なリセッション(景気後退)が終息すれば短期的なものになるとみている。

ロンドン在勤のブランチ氏は「経済成長がかなり加速すれば、再びエネルギー不足に直面するだろう」と予想。原油相場は2-3年以内に150ドルに上昇する可能性があるとの見方を示す。国際通貨基金(IMF)は、世界の経済成長率が09年には2.2%となり、11年までに4.8%に上昇すると予想している。

01年以降で最悪の世界的な景気低迷が拡大するなか、ブランチ氏は09年の原油相場見通しをことしに入って少なくとも4回修正した。11月26日に発表した最新の予想では、25ドルに下落する可能性があるとしていた。石油輸出国機構(OPEC)は12月17日、アルジェリアのオランで総会を開き、原油相場の下落阻止を目指す。

ロンドンを拠点に11億ドル(約996億円)相当を運用するヘッジファンド、ブルーゴールド・キャピタル・マネジメントのピエール・アンドュランド最高投資責任者(CIO)は「アナリストの見方が変化するのは良いことだ」と指摘。「経済情勢と需給の変化を考慮していることを意味する。ただ、それはアナリストの多くに当てはまるわけではない」との見方を示した。

原油相場が最高値から約27ドル下落した8月7日、ブランチ氏は、原油需要は新興市場の「非常に健全な」成長によって下支えされるとの見通しを示した。9月には米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんし、信用市場は凍結。米国と欧州ではリセッションが深刻化した。

ブランチ氏は「相場予想を修正したのは信用サイクルが危機的状況に陥ってしまったからだ。借り入れコストが突然、非常に膨らんでしまった」と語る。

ブランチ氏は、原油相場が25ドルに下落する確率は3分の1未満とみている。「最良の方法は、多くの選択肢を設定し、リスクや他の可能性を考慮したうえで中心となる見通しのなかから予想を立てることだ。(未来を正確に予測できる)水晶玉を持っている者はだれもいない」との見方を示した。

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