2010年11月18日木曜日

ロスチャイルド氏とインドネシア富豪の提携、石炭ブームをけん引へ

11月17日(ブルームバーグ):ナサニエル・ロスチャイルド氏が30億ドル(約2500億円)を出資し誕生するインドネシア最大の石炭生産会社が、ロンドン市場への上場を目指す見通しだ。これにより、数百年の歴史を誇る英投資会社と1942年にスマトラで創業された同族会社が結び付くことになる。

  インドネシアの資産家で政治家のアブリザル・バクリ氏とその兄弟が率いるバクリ・グループは16日、ロスチャイルド氏の出資によりインドネシア最大の炭鉱会社が誕生する計画を発表。石炭生産量は2013年までに1億4000万トンと、ほぼ倍増する見通しを示した。これは昨年の南アフリカ共和国の生産量に相当する。

  ブローカーのスコアインベスト・セントラル・ガニのディレクター、エイドリアン・ルスマナ氏は「石炭生産の倍増を目指すなか、今回のロスチャイルドとの提携により欧州の金融機関や銀行、投資家、市場へのアクセスが確保できる」と指摘。「資金調達でインドネシアの銀行だけに頼ることはできない。国外から融資を求める必要がある」との見方を示した。

  バクリの英国市場への上場が実現すれば、インドネシアの主要企業としては初となる。英株式市場では主要指数の時価総額のうち約23%を鉱山会社が占める。ロスチャイルド家は先祖のネイサンがナポレオン統治下のフランスとの戦争で英国に資金を援助したことで知られる。ロスチャイルド氏は中国とインドの経済成長を背景に石炭を有望な投資先とみている。中国とインドの石炭消費量は昨年、世界の半分以上を占めた。

  インドネシアは05年に発電用石炭輸出でオーストラリアを抜いた。インドネシアは競合する国と比較してアジアの主要市場に近く、運搬コストが低く抑えられる。

  ロスチャイルド氏は自身の投資会社バラーを通じてバクリ傘下のブミ・リソーシズの株式の25%とベラウ・コール・エナジーの株式75%を取得する予定。バラーはブミと改名され、バクリ・グループが同社の株式の43%を保有し筆頭株主となる見通しだ。

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