2010年2月21日日曜日

日本に厳しい見方=米ゴールドマンのオニール氏

2010年 1月 6日 10:25
【ニューヨーク】米ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストであるジム・オニール氏は5日、ダウ・ジョーンズとの電話インタビューで、米英の債務水準をめぐる懸念は誇張され過ぎていると述べる一方、両国よりも日本の方がリスクは大きいと警告した。

 オニール氏はブラジル、ロシア、インド、中国の主要新興国グループを、それぞれの頭文字をとって「BRIC」と命名したことで有名。同氏は、米英の信用格付けや財政問題について最近懸念の声が強まっていることについて「行き過ぎ」と断じ、両国とも今年予想以上の成長を達成するだろうと予測。さらに、両国の国債も今年「災難」に見舞われることはなく、ドル暴落という見方は大げさだと指摘。市場で売り浴びせられることが少なくないポンドも、今年は圧倒的な勝者となるとの見通しを示した。

ジム・オニール氏
 その一方で、同氏は投資家が注意すべきなのは日本と円だとし、日本の問題は米英よりも「はるかに悪い」と強調。そのため、円相場は今年、主要国通貨の中で圧倒的な敗者になるだろうと述べた。オニール氏は、個人的に推奨する取引の一つとして、ポンド買い・円売りを挙げた。ポンドの対円相場はこの日、1ポンド=146円31銭。1年前は134円94銭だった。

 オニール氏は、米経済に関しては「今年二番底に陥る恐れは大きく減退している。もっと大きなリスクは、経済が予想以上に好調になり、そのため連邦準備理事会(FRB)は政策スタンスを転換せざるを得なくなることだ」と語った。FRBが予想より早く利上げに向かうきっかけとなりうる要件として、①ニューヨーク証券取引所のスタンダード&プアーズ(S&P)500指数が1200を突破する②米国の成長率が2四半期連続で5%に達する③雇用が改善する--などを挙げた。ただ、現時点では、FRBは2011年末までフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%に据え置くとのゴールドマンの予測に変更はないと述べた。

 ドル相場については、「今後2年間ぐらいのどこかの時点で、対ユーロ相場は1ユーロ=1.20ドルになると思う」と予想した。この日は、1ユーロ=1.4356ドル。同氏は、「ドルの長期的問題はこれまで経常収支の赤字だったが、今では改善しており、ドルに対しそれほど弱気の姿勢は取りづらい」と語った。現在のところドルにとって唯一の悪材料は、FRBの超金融緩和策だが、オニール氏は米経済が改善を続け、FRBがゴールドマンの予測より早めに引き締めに動けば、ドルは「難なく上昇するだろう」と述べた。

 株式市場については、今年は世界的に他の金融市場をアウトパフォームすると予想、「企業業績の力強い回復や、各国中央銀行の大規模な流動性供給の結果、世界の株式市場環境はすばらしいものとなっている」と強調。新興国で最も推奨できる株式市場としてロシアを挙げ、その理由として同国中央銀行が経済下支えのため今年追加利下げに踏み切るとみられることを指摘した。一方、今年のクレジット市場については、国債も含めて低調と予想している。

【バサラ男の独り言】
 旧いニュースですがゴールドマンお得意のポジショントークでしょう。

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